釣り・魚・魚料理に関する書籍をご紹介しています。

釣り・魚に関する書籍のご紹介

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釣り指南本

別冊つり丸 永井裕策名人のコマセマダイの神髄

監修
永井裕策
出版社
マガジン・マガジン
目次(抜粋)
タックル&仕掛けの選択/永井流必釣法の基本/必殺の誘いと攻めの探り/シーズナルパターンを知れ/ あらゆる状況に対応する
レビュー
コマセマダイ釣りに入門して一通りの基本的なやり方を覚えはしたものの、 初心者の域を脱したい・もっと上手くなりたいいう方にピッタリの本です。 当時一世を風靡したコマセマダイ界のカリスマが教えてくれるノウハウは今でも通用します。 ただ本書はすでに絶版となっており、中古しか入手の手段がありません。 ほしい方は見つけたら『即、買い』です。内容が類似したDVD(下記)も発売されています。 DVDなので本書に比べると圧倒的に情報量が少ないですが、こちらの方がいくぶんかは入手しやすいかも知れません。

釣り船オヤジ直伝「超」実践海釣り&磯料理

著者
芳野隆
出版社
CLAP
目次(抜粋)
春-釣行の幕開け(シロギス)/夏-活性が上がる大漁の季節(ヒラメ・マアジ)/秋-黒潮の恩恵で釣果は落ちない(ハナダイ・フグ) 冬-魚が一番うまくなる(アイナメ・ヤリイカ)/海釣り四方山話(潮の流れ・コマセ釣り・オマツリ・ 釣り座・船酔い・いい船頭・マナー・ゴミ問題など)
レビュー
千葉県飯岡港の隆正丸大船長による船釣りの極意・楽しさ・料理法・マナーなどを説いた本です。 一応「釣り指南本」のカテゴリに入れましたけど、こうゆう丸の釣りモノとの接点が少ないので、 こうゆう丸のお客さんにとっては直接役立つ部分はそう多くはないかと思います。 ですが、お客さんにとって船長がどのように海の中を想像しているのかを知る機会はなかなかないでしょうから、 そういう点において興味のある方には非常に良いまた数少ないタイプの本だと思います。 また船釣りにまつわるエッセイとしても楽しめると思います。 釣りの世界では自分の想像や又聞きの情報をさも科学的事実であるかのように話すケースが非常に多いです。 この著者は、自分なりの想像の部分はあくまでも想像であると明確に区分しています。 その一方で魚を飼ってみて生態を観察したりもされています。 それに釣りのノウハウは海や時代と共に変わっていくことも大前提として考えられているように思います。 そのような柔軟な人だから私などがまだ幼児の頃から長い間船頭として活躍され発展されてきたのではないかと思います。 本書は紙の本が絶版で古本でなければ入手できません。上の表紙はamazonの電子書籍にリンクされています。

科学本

魚の行動習性を利用する釣り入門

著者
川村軍蔵
出版社
講談社
目次(抜粋)
魚を知る/撒き餌を科学する/釣り餌を科学する/ルアーを科学する/釣りのポイントとタイミング/ 釣りにくい魚と釣りやすい魚/釣り具と仕掛け/釣り場の水環境/釣りのルールと釣り場の保全
レビュー
ブルーバックスのシリーズです。これを読んだら直ちに釣りがうまくなるというものではありませんが、 釣る方法を考える際のヒントになる可能性のある科学的な知見が盛り込まれた本です。 魚は仕掛けが見えるか、ルアーの色に意味はあるのか、紫外線は見えるか、アミノ酸の効果、 魚の好む匂い、スレるとは、潮・水温・溶存酸素等の自然環境の影響、ルアーの動きを感知する仕組み、 竿・ハリ・糸の科学、といった釣り人としては興味深い話ばかりです。

釣りエサ(ルアー・エギ・毛バリ・生エサ)のひみつ ~魚を誘う、色・匂い・味・成分・硬さ・音に科学で迫る!

著者
長岡寛
出版社
つり人社
目次(抜粋)
釣りエサの種類と特性/魚から見た釣りエサと釣り人/魚は釣りイトが見える?/ルアーとエサ、何色がよく釣れる/ 臭いエサのほうが魚は集まる?/甘いエサはよく食べる?/釣り場の騒音はNGか/究極の釣りエサ成分とは/ 偽物なのになぜ釣れる/最適なエサ、ルアーのサイズとは/魚が食い込みやすい釣りエサの硬さとは/ 釣りエサは環境にどう影響するか/釣りエサのひみつ-4つのエピソード-
レビュー
著者はマルキューで配合エサやエコギアの開発に携わった人です。上でご紹介した『魚の行動習性を利用する釣り入門』 よりも扱う範囲が狭くエサやルアーに特化している分内容が濃く、興味深い話のオンパレードでした。 特に『魚は釣りイトが見える?』の章は大変参考になりました。 あと、メジナ釣りでオキアミをハリにめいっぱい房掛けにした話も面白かったです。コマセマダイ釣りでも応用できそうです。

釣りはこんなにサイエンス

著者
高木道郎
出版社
SBクリエイティブ
目次(抜粋)
釣り人のための気象学/釣り人のための海洋物理学/釣り人のための地理学&地質学/ 釣り人のための魚類学/釣り人のためのテクニック理論/釣り人のためのタックル理論
レビュー
基本的に海釣りのための本です。 経験ある釣り人が知っていて当然の知識、ビギナーが上達するためのベースとなる釣りにまつわる科学的基礎知識がまとめられています。 第1章は天気図の見方や波の予想、地上と海中の季節のズレなど。第2章は潮の動きについて。 第3章は地形によるポイント探し。第4章は魚の生態や感覚器官について。 第5章はタナ、時合い、アワセ、やり取りなどの考察。第6章は釣り道具の知識。 自然を相手にする釣りでは科学的な知識はやはりある程度必要なわけで、ビギナーを脱したい人にはよい本だと思います。 ただし、これを読めば即釣果が上がるような直接的なことは書いてありません。 どうしたら釣れるか考えるベースになる基礎知識だと思っていただいたらいいと思います。 紙の書籍は絶版です。

イカはしゃべるし、空も飛ぶ

著者
奥谷喬司
出版社
講談社
目次(抜粋)
イカと日本人/イカの設計図/イカの超能力/イカの愛と性/イカの暮らし/イカの過去・現在・未来
レビュー
イカにまつわる様々な話題をまとめた本です。一応科学本のカテゴリに入れましたが、科学的な内容だけでなく、 社会的・歴史的な人間とイカの関わりについても多くのページが割かれています。 なので釣りに直接役立ちそうな話は一部とお考えください。ちなみに釣りに関係ありそうな話は、 イカの視覚・色覚・聴覚、捕食行動、摂餌行動、食性、イカの移動方法など。 紙の書籍は絶版、非常に高額になっていて、電子書籍が現実的です。

写真探索・釣魚1400種図鑑

著者
小西英人
出版社
KADOKAWA
目次(抜粋)
写真探索/硬骨魚綱/軟骨魚綱・無顎上綱/頭足鋼/魚名索引
レビュー
魚を図鑑を持っていると知らない魚が釣れた時に便利なんです。でも見た目しかわからない魚をどうやって特定するか、それが大問題です。 その問題に対応した図鑑は正直言って少ないのが実情です。そしてその数少ない中でも一番いいと私が思われるのが本書です。 目次の最初に『写真探索』とありますね。これが第1章。ここでは『科目写真目次』、『その色』、『その斑紋』、『その特徴』の4つの探索方法が提示されています。 『科目写真目次』では113種もの科目(タイ科とかスズキ科とか)の代表的な魚1種づつの写真が数ページにわたって並んでいます。 ここで見た目の似た科目を選んで、そこで示されたページを見てみると、そこにはその科目のいくつかの魚の写真が並んで掲載されています。 並んでいるし、見分け方も解説されているので、特定しやすいです。『その色』『その斑紋』なども同じように探索できます。 文庫本サイズというのも釣りに持っていきやすいですし、なんなら電子書籍でも購入できるのでスマホで見ることもできます。 食味についても評価が書かれています。著者は元々釣り雑誌に関わっていた方なので、釣り人目線で作られているのがうれしいです。

水族館発!みんなが知りたい釣り魚の生態

編著
海野徹也・馬場宏治
出版社
成山堂書店
目次(抜粋)
深海魚キンメダイの秘密(輝く目、垂直移動。向こうアワセ)/水族館発新感覚エギング(アワセからスレ対策まで)/飼育からわかったタチウオ(暗いのが嫌い、共食い大好き)/食わない魚にエサを食わせる(捕食音は摂餌をオン、警戒をオフに?)/ニオイと味の世界(究極のエサはこれだ)/魚が仲間に危険を知らせる”警報物質”/他
レビュー
カバー裏にはこんな風に書かれています。「全国21の水族館から、釣りが大好きで飼育のプロとしての観察眼を持つ29名の”アングラー飼育員”がそれぞれ日常業務の中でこっそり眺めた!試した!実践した!釣り魚の秘密を教えます。」29人のレポート記事の他にもコラムが10以上あり内容は盛りだくさんです。対象となっている魚は渓流魚・ピラニア・スズキ・トビハゼ・キンメダイ・メバル・アユ・タコ・アオリイカ・メジナ・ライギョ・コイ・タチウオ・アカメ・ブラックバス・コロダイなどです。もしかしたら入手困難かも知れません。私はメルカリで入手しました。

魚料理本

魚食革命 津本式 究極の血抜き 【完全版】

監修
津本光弘
出版社
内外出版社
目次(抜粋)
津本式とは/津本式手順/釣り人や漁師にすすめたい魚の締め方/魚種別やり方/熟成の基本
レビュー
津本式を考案した津本光弘さんは水産会社に勤める方です。漁師でも料理人でもありません。 『津本式究極の血抜き』とは魚を美味しくするための準備(仕立て)のやり方、つまり水産会社の仕事の範囲になります。 釣り(漁業)と料理の間に位置する作業なので、純粋な意味での魚料理本のカテゴリではありません。 でもこの仕立てを最大限成功させるために、 さらに仕立ての前後に位置する魚の締め方や熟成の方法についても解説されており、 ある意味漁業から料理までの全過程を兼任するとも言える『釣り人』にとってはとても有益な本です。 近年魚の熟成に注目が集まっていますが、長期の熟成で旨味成分を増加させるためには、 まず魚を長期熟成に適した状態に仕立てることが必要です。 自分で釣った魚をより美味しくいただくために釣り人が読んでおいて損のない内容だと思います。 姉妹本として『魚食革命『津本式と熟成【目利き/熟成法/レシピ】』 (ルアマガブックス 11) [ 津本光弘 ]』 という本もありますが、こちらはどちらかと言うと熟成の技術に重きをおいた本であり、 一般の釣り人としては本書『魚食革命 津本式 究極の血抜き 【完全版】』の方だけで十分と思います。

ウエカツの 目からウロコの魚料理

監修
上田勝彦
出版社
東京書籍
目次(抜粋)
サカナ道入門/魚料理は下処理で決まる/魚がおいしい5つのしくみ/魚の個性いろいろ/ 春夏秋冬この魚この逸品
レビュー
魚料理の本と言うと大抵はレシピ本になるのですが、この本はレシピの前に知っておくべきことが書かれている点で独特です。 第2章では必要な道具やあると便利な物、包丁の使い方、生臭みを防ぎ保存性を高める下処理などを解説。 第3章では魚料理における調味とは何か、生・焼く・煮る・揚げる・蒸すの意味合いについて解説。 第4章では代表的な魚介についてその素材の特徴・活かし方などを解説。 つまり後々応用の効く魚料理の基礎知識が満載なんですね。 そして最後にもちろんおすすめのレシピも載っています。

恵比寿「魚キヨ」が教える 本当にうまい魚の食べ方

著者
魚キヨ
出版社
講談社
目次(抜粋)
魚さえあればメシが旨い!もっと気楽に買ってみてよ/旬の旨い魚こうやって食べてみな!/ 巷でいわれている魚のウソ、ホント/
レビュー
恵比寿にある魚屋さんに惚れ込んだ編集者が通い詰めて口説き落として出版にこぎ着けたという本書。 魚の美味しい食べ方や、美味しくするためのちょっとした工夫などが詰め込まれています。 第二章で取り上げられている魚種はアサリ/アジ/アナゴ/イカ/イワシ/エビ/カキ/カツオ/カマス/ カレイ/キス/サケ/サバ/サンマ/スズキ/タイ/タチウオ/タラ/ブリ/マグロ/タコ/ アカムツ/ムール貝/帆立貝/ニシン/シラウオ/ウニ/カニ/サワラ。 毎日イカを買いに来るお客さんから教えてもらったという激ハマり必至の食べ方や、 タチウオの塩焼きをほんの一手間で美味しくする方法など、やってみたくなること間違いないと思います。 こうゆう丸で釣りの対象になっていない魚種もありますが、そこは魚屋さんに足を運んでください(笑)

旬の地魚料理づくし

著者
野村祐三
出版社
講談社
目次(抜粋)
旬の地魚マップ/春の地魚料理/夏の地魚料理/秋の地魚料理/冬の地魚料理/沖縄の地魚料理/ 全国地魚料理のうまい宿/調理の基本とコツ/等々
レビュー
日本全国にある地魚の郷土料理を集めた本です。規模がすごいですね。魚介類の種類が120種以上、 多分紹介される地魚料理の数は400~500位あるんではないかと思われます。(数えるの断念しました。) 普通のレシピ本に載ってるレシピと違い野趣あふれる料理が並びます。釣り人ならこういうの大好きじゃないかな。 例えばマダイで言いますと紹介されているのは、 石焼/わっぱ煮/から蒸し/笹漬け/素焼きなめみそ/茶漬け/しゃぶしゃぶ/づけ丼/たい飯/ たい酒/ひゅうが飯/たいそうめん/焼き切り。それぞれどこの地方の料理かも記載されており、 たい茶漬けなんかは和歌山のと熊本のも二種類紹介されています。非常に貴重な本だと思います。 釣りの対象でない魚介類も多いんですけど、地方の特産も紹介されているのが私は個人的に嬉しかったです。 能生特産の紅ズワイガニやバイ貝もありました。本書は紙の書籍は中古しか手に入りません。 未確認ですが著者が同じで多分同等の内容と思われる下記の本もありますよ。 こちらはまだ紙の本が新品で入手可能です。

冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる

著者
前田尚毅
出版社
飛鳥新社
目次(抜粋)
美味しさを保つために重要な「冷やし」/水分をコントロールするための「ひと塩」/ 美味しい魚と出会うためには/美味しい魚を見極める/すべての基本は干物にあり/ 世界に誇る、日本の水産
レビュー
著者の前田尚毅さんは焼津で魚屋さんをやっている方です。数々の有名料理人に魚をおろし、世界的にも有名で、 テレビ出演も多数あります。それはこの魚屋さんが卸す魚が抜群に旨いからです。 本書では前田さんが魚を仕立てる技術の内で最も重要な2点「冷やし」と「ひと塩」に焦点を当てて解説されています。 それが最初の2章で、第3章以降は美味しい魚の見分け方や前田さんのこれまでの足跡などが語られます。 従って厳密には料理本ではありません。誤解しないでください。特に釣り人に向けて書かれたものでもなく、 一般の人(スーパーで魚を買う人とか)にも役立つような内容になっています。 ただ釣り人もこの「冷やし」と「ひと塩」を知っておくと、釣った魚を美味しく食べる上で有益だと思いますよ。

日本料理の魚一尾使いこなし料理 人気の魚・高級魚を上手に使いきる

著者
遠藤十士夫
出版社
旭屋出版
目次(抜粋)
皮・うろこ・えら/内臓/かぶと/ひれ/中骨/すだれ骨・掻き身/いろいろ活用して/ 魚種編(きんき、鯛、平目、すずき、甘鯛、おこぜ、まながつお、金目鯛、かんぱち、 しまあじ、さば、あじ、鮎、岩魚)
レビュー
魚料理本の中でもちょっと珍しい、内臓やえら、ひれ、うろこ等も含めて魚を丸ごと活用するという主旨の本です。ただそういうことに特化した本でもないので誤解しないでください。和食ではメジャーな魚を料理するノウハウの中に、そういうことも散りばめられています。アラを使った料理については多くの本に言及されていると思いますが、さすがにえらは初めて見ました。魚料理が好きでもっと楽しみたいという方にはおすすめです。ただ新品での入手は難しく、中古もそう出回っていないので入手はある程度困難かも知れません。

文芸本

老人と海

著者
アーネスト・ヘミングウェイ
出版社
新潮社
概要
84日間も漁に恵まれない老いた漁師。自分を慕ってくれる少年に見送られ、今日も小舟で海へ漕ぎ出します。 そこには巨大なカジキとの数日に渡る死闘が待っていました。そして死闘を終えた老人にさらなる試練が襲います。
レビュー
言わずと知れたヘミングウェイの傑作です。読まずに死んだらもったいないです。 あまり厚くもないですし、未読の方はぜひ。 ただごめんなさい、私はこの訳者さんのは読んだことがありません。親しんだのは福田恆存さん訳のものなのですが、 これは現在では電子書籍か中古本でしか入手できないようです。 他にも多くの訳者さんによるものが複数の出版社から出ています。 老人の一人称が「俺」だったり「わし」だったり変わるだけでだいぶ印象が違います。 最初の方を少し立ち読みしてから好みのものを選んだ方がいいかも知れません。

二心ある大川(二つの心臓の大きな川)

著者
アーネスト・ヘミングウェイ
出版社
新潮社
概要
以前の生活を捨て去り、キャンプ道具と釣り道具を持って単身とある街へ降り立ったニック。 彼は沼地へ入り、キャンプをし、大きな鱒を釣り上げます。
レビュー
これを読んでアウトドアな生活に憧れた若き日の私はしばらくバイクでのひとりキャンプにハマりました。 上の概要で書いた設定は釣りが好きな人なら憧れるシチュエーションでしょうね。 鱒を釣る過程の描写も釣り人ならリアリティをもって大いに楽しめると思います。 『二心ある大川(二つの心臓の大きな川)』というのは短編のタイトルであって書名ではありません。 私が読んでいたのは岩波文庫の谷口陸男さん訳のヘミングウェイ短編集でしたが今は入手が困難なようで、 上では新潮文庫の表紙をあげました。 原題は『Big Two-Hearted River』。訳者によってタイトルがかなり変わりますのでご注意を。 ヘミングウェイは釣りに関する短編やエッセイも数多く残していて、昔『ヘミングウェイ釣文学全集』という本もあって、 私も楽しんでいましたが、今は絶版となっているようで残念です。

大江戸釣客伝

著者
夢枕獏
出版社
講談社
概要
将軍綱吉の時代。釣り指南書を著したという津軽采女をはじめ、釣りにとりつかれた人々の様子を、 生類憐みの令や松の廊下などの史実と絡めながら描いた小説です。
レビュー
夢枕獏さんは神々の山嶺も読んだことありますけど、何かに狂った人をとことん突き詰めるのが面白いですね。 本書でも釣りにはまって抜け出せなくなった人達が描かれるわけですが、笑ってしまったり、 なるほどなと考えさせられたりしました。江戸時代の話ですけど釣りの工夫は今と同じですね。 工夫する人がどこまで考えるのか、参考になるかどうかはわかりませんが、読んでて思わずニヤリとしてしまいます。

エッセイ

私の釣魚大全

著者
開高健
出版社
文藝春秋
概要
芥川賞作家開高健さんの釣りにまつわるエッセイ集です。
レビュー
雑誌『旅』他に掲載されたものや書下ろしのものを集めたエッセイ集です。 国内・海外、淡水や海、餌釣りにルアー・フライと多種多様な釣りが出てきます。 アイザック・ウォルトンの『釣魚大全』からとったタイトルでしょうね。 それに比べると釣りに直接的に役立つ内容はほとんどないです。まあ本家『釣魚大全』も今となってはそうですが…。 船でのマダイ釣りも出てきますけど、釣り方がだいぶ違いますしね。 釣りの描写ももちろん出てきますが、釣行記というよりもむしろ釣りにまつわるよもやま話といった感じです。 でも釣り人なら思わずニヤリとしてしまう記述が多くて面白いんですよね。 昔の作品であることと、開高さんのキャラもあって、一部女性が読むと不愉快になるところもあるかも知れませんので、 その点はご注意ください。もし釣行記的な方が好きなら同じ作者の『フィッシュ・オン』をおすすめしますよ。こちらはアラスカのサーモン釣りのところがたまらなく好きです。

釣りキチ三平の釣れづれの記

著者
矢口高雄
出版社
講談社
概要
マンガ『釣りキチ三平』作者のエッセイ集。子供の頃に自然に親しんだ記憶、釣りの世界に足を踏み入れのめり込んだ経緯、 漫画家になったキッカケ、マンガを描く際の心がけ、ツチノコとの遭遇体験など。『釣りキチ三平』を含むマンガが三編収録されている。
レビュー
雑誌『つり人』に掲載されたものを中心に集められた肩のこらない気軽に読めるエッセイ集です。 マンガではない文章の本としては著者初の作品であり、その後続巻も発表されています。 マンガも収録されているので、あっという間に読みおえました。 子供の頃の自然の中での遊びの描写がすごくいいですね。境遇は違えど自分の子供の頃を思い出しました。 幸せな時間を過ごしていたんだなとつくづく思います。巻末に『釣十訓』なるものが掲げられています。 個人的に疑問に思うものもあるけれどはっとさせられるものもあります。例えば「まぐれこそ釣りの極意なり」。 自分の今までの経験を照らしてみてもこれは確かにと考えさせられました。 上の表紙はamazonの電子書籍にリンクされていますのでご注意を。紙の書籍は中古でしか入手できないようです。

釣り六十年

著者
西園寺公一
出版社
小学館
概要
西園寺公望の孫であり無類の釣り好きである著者の釣りエッセイ。
レビュー
著者68歳の時の出版なので、タイトルは自身の釣り遍歴から来ていると思いますが、 実際本書に取り上げられているのは大人になってからの釣りにまつわる話のみです。 国内海外、淡水海水、餌・フライ・ルアーと非常に広い範囲をカバーしているのは前述の開高健さんの「私の釣魚大全」に似ています。 内容の雰囲気も少し似たものがありますね。 開高健さんと共著の「フライ・フィッシング」という本もあるので交流もあったものと思われます。 公爵家の出で総理の孫、参議院議員の経験もある著者ですが、気取ったところがなく、釣友からは「西さん」と呼ばれて親しまれ、割と自由に生きた人なんだなと感じられます。 序盤は日中人民交流の民間大使として長期滞在した中国での釣り話がメインになるのですが、 そこで
釣りきちがいの僕のことだから、日中友好の仕事のつぎに、まず気にかかるのは釣りのことであった。
というのが笑えます。 でもところどころに当時の地政学の影響を受けた記述もありますね。戦争の影もちらほら。 上の表紙はamazonの電子書籍にリンクされていますのでご注意を。紙の書籍は中古でしか入手できないようです。

オーパ!

著者
開高健  写真:高橋昇
出版社
集英社
概要
作家の開高健さんがアマゾンで魚を釣る紀行文です。美しい写真が数多く載っています。
レビュー
開高さんのフィッシュ・オンを読んだブラジル在住の作家醍醐麻沙夫氏からアマゾンでの釣りを提案され、それがきっかけで雑誌の取材として現地に向かうことになります。 今は怪魚ハンターと呼ばれる釣り人たちもいて、ビラニア、トクナレ、ピラルクー、ドラドなどのアマゾンの魚もある程度名が知られているかも知れませんが、 この本が出た頃はこれらは未知の世界であり、この本は世界の魚を釣るというカテゴリーの端緒となったのかも知れません。 本書は大ヒットして以後シリーズ化されました。 釣りはルアー釣りがほとんどです。 しかしこの本は釣行記と言うに収まらず、紀行文という方が合っているかも知れません。 現地の人たち、自然、食、生物など、道中で遭遇するいろんなものが文章と写真で語られます。 ブラジルという国はむせかえる位生命感にあふれた国だなと感じました。 因みに「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい…(以下略)」という釣りに関する有名な諺はこの本で知りました。

河は眠らない

著者
開高健  写真:青柳陽一
出版社
小学館
概要
作家の開高健さんがアラスカでキングサーモンを狙いながら次々と名言を吐くフォトエッセイです。
レビュー
開高健さんの本が多くてすみません。船長、一時期すごくハマってたもので(汗)。 厳しく美しい自然の中に身をうずめてただひたすらキングサーモンを狙い続ける忘我の境地と、 たまにふと口からこぼれ出る『男のカッコつけ』名台詞の数々の組合せがすごくいいんです。 釣りが心から好きな人は共感していただけると思います。 紙の本の方が写真をよりキレイに楽しめると思いますけど絶版状態で入手が困難なので、アマゾンの電子書籍kindleでの購入が無難かと。

マンガ本

釣りキチ三平

著者
矢口高雄
出版社
講談社
概要
自然豊かな山で育った少年三平三平が生まれ持った天才的な釣りセンスで様々な釣りで活躍していく、 釣りジャンルのマンガの元祖とも言える作品です。 序盤は渓流や湖沼での餌釣りが中心ですが、徐々に海へそしてルアーなどの疑似餌釣りへも世界が拡がっていきます。
レビュー
私を釣りという底なし沼に引きずり込んだのは、父と友人とそしてこのマンガでした。 皆さんも引きずり込まれてください。あっもう既に…笑。 上の表紙絵はamazonの電子書籍にリンクされていますのでご注意ください。 大長編であり絶版にもなっており、紙の本で買おうとすると何十冊も一度に大人買いしないといけないでしょう。 少しづつ買っていくには電子書籍がいいと思います。

放課後ていぼう日誌

著者
小坂泰之
出版社
秋田書店
概要
高校一年生の主人公(女の子)が偶然から『ていぼう部』に入部し、先輩達とともにさまざまな釣りを経験していくことになります。
レビュー
タイトル通りおかっぱりの釣り専門の内容です。船釣りはこの記事を書いている時点ではありません。 釣りに関してまったくの素人であった主人公が少しづつ釣りのやり方と楽しさを知っていきます。 釣りをあまり知らない読者ならば主人公を通して同じように釣りのやり方と楽しさを学んでいけると思います。 食べることについてもしっかり描かれているのもいいですね。 釣りの楽しさを世間に知らしめるという点において非常に優秀なマンガだと思います。

バーサス魚紳さん!

著者
原作:矢口高雄 漫画:立沢克美
出版社
講談社
概要
釣りキチ三平でお馴染みの魚紳さんが、実在する釣りのエキスパート達と釣り対決をしていくというお話です。
レビュー
初回はバスプロの青木大介さんを相手に河口湖でバス釣り対決。次は磯釣りの平和卓也さん。そしてフライフィッシングの渋谷直人さんと続きます。 いずれもエキスパートの意地と意地が真っ向からぶつかる緊張感たっぷりのエンターテイメント作品です。釣りキチ三平を知らない人でももちろん楽しめます。

釣りバカたち

著者
矢口高雄
出版社
オフィス漫
概要
釣りの沼にハマってしまった様々な釣りバカたちを一話完結で描く小品群です。
レビュー
特に決まった主人公はいません。それぞれの話で別々の人物が描かれます。基本的に淡水の釣りが主となります。 もちろん釣りの描写が見せ場となるわけですが、主軸は釣りそのものではなく釣りに魅せられてしまった人々の人生模様といった内容です。 同じように沼にハマってしまった読者ならば、登場する人々の気持ちはすごくわかるだろうなと思いますよ。 1巻の中に「釣り十戒」という話があるのですが、その中で挙げられる第七戒「釣り人は竿を棒きれのごとく大胆に使い金のタマゴのごとく大切にすべし」というのが好きです。 元々は講談社から発売されていた作品だと思いますが、今は紙の書籍での入手は中古しかできないと思います。 現在は講談社から権利を買い取ったのであろう数社から電子書籍という形での入手が現実的だと思います。 上の表紙はamazonの電子書籍kindleでのオフィス漫という出版社のバージョンにリンクされています。
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