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座席の選択
一般的には『なるべく揺れの小さい胴の間に初心者を』というのがセオリーかと思われますが、私はちょっと考えが違います。 もしあまり波がないようなら四隅に入らせて上げるのがベターだと思っています。その理由は…
- 比較的釣れやすい。
- 他のお客さんとトラブルになりにくい。
1については、やはり最初に釣れるか釣れないかで面白いと思っていただけるかが大きく違うからです。 お連れになった方も『こんな面白いものを教えてあげたい』と思って誘ったのでしょうし、釣れる事を重要視して少しでも釣れる可能性の高い選択をされた方がいいと思います。
2については、初心者の人はかってがわかりませんから、誰かとオマツリしようものなら『自分が悪いのだ』と萎縮してしまうかも知れません。お互い様なんですけどね。 それでは楽しめるものも楽しめなくなるでしょう。なるべく他のお客さんと距離をとってあげて間に経験者である自分が入る方がいいのではないでしょうか。
但し、波のある時は酔ってしまったら可哀想ですから四隅を避けるのはアリだと思います。特にミヨシは。 でもそんな時、胴の間なら揺れないかというと程度が違うだけでやはり揺れるんですよね。割り切りも必要かも知れません。
乗船時の準備
乗船したらいくつかの項目について確認してください。
ライフジャケットの着用
不慣れな初心者は転倒や転落の危険性がベテランより大きくなります。すぐにライフジャケットを着用させてください。
釣り具を落下させないために
ロッドキーパーの取り付けがしっかりなされているかボルトの締めを確認してください。また竿を海に落下させないための尻手ロープを確実に取り付けてください。
リールのセッティング
海面でのゼロセットとドラグ調整を確認してあげてください。
タナを守る
指示ダナのある釣りではタナを守ることがルールである事をキチンと教えてあげてください。そしてタナを守るための方法も教えてあげてください。 もし初心者の方がタナを狂わせた場合、責任は初心者の方にあるのではなくお連れになった方にあります。気をつけてあげてください。
リールのカウンタが正確かどうか確認してあげてください。そうでない場合は道糸のマーキングでタナを測る方法を教えてあげてください。 私は初心者の人にもマーキングの見方を教えてあげる事が多いです。ほとんどの人は問題なくできますよ。
マダイ仕掛けの手前マツリを防ぐ
マダイの長仕掛けは初心者には荷が重いと思われがちですが、私が教えてあげた初心者の方は大体ノントラブルで釣りをされています。 ポイントをしっかり教えてあげれば15mのハリスであろうとほとんど問題ありません。ポイントは下の関連記事にて説明しています。
魚がかかったら
バレないようにしてあげるのが最優先です。そのためには…
- 当たったらゆっくり竿を立ててそのままの体勢で竿尻をお腹に当て、竿を持つ手はリールの上のグリップを持って巻く。
- 他のお客さんとオマツリしてバレないか周囲に気をつけてあげる。
- タモを用意する。
- リールを巻き終えたら竿を立てさせて、同伴者がビシをとってあげてそのままハリスが緩まないようにたぐり始める。その間に竿をロッドキーパーにかけてもらい、 かけ終わったらハリスをたぐるのを交代する。竿をキーパーにかける時とビシをバケツに入れる時にハリスが緩んでバレる事が多いので、それを防ぐためです。
お子さんをお連れになる場合
これは考え方やその時の場面で人それぞれだと思うので、あくまでも私が感じている事として受け取ってください。
年齢にもよりますが、魚がかかったらなるべく直接の手出しはしない方がいいと思います。 魚の引きが強いからといって竿を支えてあげたりすればお子さんは本当の魚の引きを感じることはできません。 なんのために船釣りに連れてきてあげたのか、思い出していただきたいです。 また手伝って釣ったものはお子さんの自信にもならないし、友達に自慢することもできません。 お子さんの方もつまらないと思います。 手伝わなければ苦労するかも知れませんが、苦労すればするほど釣り上げた感動は大きくなるでしょう。 魚の引きに負けて竿先が下がってしまえばバレる可能性は高くなりますが、 それでも子どもを海に引きずり込むような事には絶対なりませんよ。最大でもドラグの抵抗力分しか負担はかからないのですから。
ただ竿が船べりに当たれば折れる可能性はあります。お腹に竿尻を当てれば竿は立てやすくなりますが、 それも無理ならキーパーにセットして巻くことに集中するか、もしくは船べりから竿全体を外側に出して下に向けてしまうか、 そういう対応になろうかと思います。
魚がかかる前に、どの程度お子さん自身でファイトできるかを確認しておいたらいいでしょう。 コマセを振る時などに竿を持ってもらったらいいです。
釣りの魅力の中でも大きな一つは、魚の命を感じ取ることです。それは主に魚の引きや動きによって感じ取られます。 仮に魚が釣れたとしてもそれを感じないでは嬉しさは半減するでしょう。一番魚の生命感をダイレクトに感じられるのは ハリスをたぐる時です。ハリスはお子さんにたぐらせてあげてほしいと思います。