リールに自分で新しい糸(PEライン)を巻く方法をご説明しています。スピニングリール、ベイトリール両方について。

リールのスプールに新しい糸(PEライン)を巻く~釣行中のトラブルを減らすやり方

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リールと道糸を釣具屋さんで購入した時は釣具屋さんが道糸をリールに巻いてくれます。ですが道糸だけを新しい物に交換する場合、 通販でリールを購入した場合、カウンタが狂ってしまい道糸を巻き直して設定をし直す場合など、自分でリールに道糸を巻く機会は結構あります。 ここではそのやり方についてご説明します。

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カウンタ付きリールの設定

カウンタの付いたリールに糸を巻く場合は必ず事前に取り扱い説明書をよく読んでください。 カウンタというのは仕掛けがどの位の水深まで落ちているかを表示する機能です。 カウンタの機能を使うためには、糸を巻く前から、そして巻きながらの設定作業が必要となってきます。 キチンと設定しないとカウンタが正しい水深を表示しないためタナが狂ってしまい、自分だけ釣れなかったり、周りの人まで釣れなくしてしまう可能性があります。

糸を巻く手順

最初にやるべきこと

PEラインを水に漬ける

両軸リールだと乾いたPEラインを巻き取る時にどうしてもレベルワインダーのところで摩擦によって熱を持ってしまいPEラインの表面がはげる事があります。 なので私は予めPEラインに水を勢い良くぶっかけた上で30分以上スプールごと水に漬けておきます。そんなにやらなくてもいいかも知れませんが念のため。PE1.5号の150m巻、PE3号の100m巻きは今までそれで中心部まで水が沁みてくれました。(それ以上のはまだ未経験。)水分を含んだラインならば摩擦による劣化が抑えられます。ただしリールに巻く作業の時に多少水が飛び散りますのでご注意を。

竿にリールを取り付ける

リールは竿に取り付けておきましょう。そうしないととても作業がやりにくくなります。継ぎ竿の場合は竿を全部つなぐ必要はありません。グリップの部分があればいいので、二本継ぎの竿なら大抵は下の一本だけあればいいと思います。

糸をガイドに通す

巻く糸をまず竿の一番根元のガイドに上から通します。一番根元のガイド一つだけしか使いません。

必ず予めPEラインを水に漬けて濡らしておいてくださいね。 これをやらずに新しい糸をガイドに通して巻こうとするとガイドが摩擦で高熱になり、PEラインのコーティングがはげますよ。

レベルワインダーもしくはベイルアームを通す

そしてリールのスプール(→スプールとは)に糸を結ぶわけですが、その前にもう一つ忘れてはいけない事があります。 ベイトリール・電動リールの場合は、レベルワインダー(→レベルワインダーとは)を通してからスプールに結んでください。 レベルワインダーとは糸をスプールに均等に巻くために付いている小さなガイドです。リールを巻くと左右にゆっくり動いて均等巻きしてくれます。

スピニングリールの場合はレベルワインダーがありませんが、代わりにベイルアーム(→ベイルアームとは)を立てた状態で糸をスプールに結ぶようにしてください。 結び終えたらベイルアームを倒します。

ドラグを締める

巻く前にリールのドラグ(→ドラグとは)をやや強めに締めておきましょう。後でご説明しますが、しっかりしたテンションをかけて巻く必要があるからです。

糸をリールのスプールに結ぶ

PEラインをリールのスプールへ結び付ける方法はユニノットでやります。でもその前にPEラインをスプールに巻きつけます。

ユニノット結び方説明写真1:スプールに糸を3回以上巻く

まずスプールに糸を5回以上(以前は3回以上にしていましたが少し増やしました)巻きつけます。 巻きつける方向を意識してくださいね。 適切な方向に巻きつけると結びが締まる方向に糸を巻くことになるので緩みにくいです。 間違った方向にしてしまうと道糸が滑って空回りしてしまう可能性が高まってしまいます。

スピニングリールの場合の巻きつけ方向

スピニングリールの場合は、糸の端を持ち、スピニングリールを上から見て右回りの方向に巻き付けてください。

スピニングリールに糸を巻き付ける方向の写真画像

ベイトリール・電動リールの場合の巻きつけ方向

ベイトリール・電動リールの場合はハンドルを回した時にスプールが回転する方向と逆の方向に(糸の端の方を)巻きつけてください。リールを右手側から見ると写真の通りの巻き方向でいいです。

両軸リールに糸を巻き付ける方向の写真画像

スピニングリールなら簡単にできますが、電動リールやベイトリールだと、この5回以上巻き付けが意外と難しいです。 レベルワインダーに糸を通した後、糸の先端を粘着テープなどでスプールに貼り付けてから、スプールを指で5回転以上(回転させる方向に注意。ハンドルを回した時の回転とは逆方向に回す。)させると簡単にできますよ。

ユニノットでPEラインをスプールに結ぶ

ユニノット結び方説明写真2:ユニノットの輪を作って4~5回くぐらせる

糸の先端で輪を作って、その輪に元の糸を束ねて4~5回くぐらせます。

ユニノット結び方説明写真3:ユニノットの結び目を7割位締める

ユニノットの結び目を締めます。ここではまだ強く締めないで7割程度に。結び目の形がキレイにできればそれでOKです。

ユニノット結び方説明写真4:元の糸を強く引いて締めます

元の糸を引いて、ユニノットの結び目がスプールにくっつくようにします。

ユニノット結び方説明写真5:締まったら完成

元の糸を上下交互に向きを変えて強く引きます。スプールに対して糸の輪が滑らなくなるまでしっかり締めたら完成です。しっかり締めてくださいね。これが不十分だと魚がかかった時に糸が空回りしてしまう可能性があります。

ここまでやれば私の経験では糸がスプールに対して空回りしたことはありません。 しかしそれでも心配!という方はもう一つ作業をやるとさらに空回りしにくくなります。 スプールに3回以上巻いた糸の部分に粘着テープを貼り付ける作業です。 糸に対して直角に貼っても効果は少ないので、糸に沿って糸を隠すような感じで貼り付けてくださいね。 そんなに粘着力の強力なものでなくていいですし、幅の広いものでなくていいです。手持ちの粘着テープでいいですよ。 このテープを使う方法は微妙にスプールのバランスが変わるので、 バスフィッシングなどベイトリールでキャスティングを頻繁にする場合はやめた方がいいとも言われますが、 一般の船釣りでは特に支障は感じていません。

スプールに突起が付いているケース

糸を引っ掛ける突起がついているスプールもあります。この場合はスプールではなくその突起に対してユニノットで同様に締めてやればいいです。

糸を巻く

いよいよリールのハンドルを回して(電動リールなら電動でも可)糸をスプールに巻いていきます。

リールの糸巻き設定を忘れずに

カウンタ付のリールの場合、糸巻きの前に設定方法は確認しておいてくださいね。巻き始める前から設定作業が必要になるはずですから。

テンションをかけて巻く

いよいよ糸を巻きます。ここで大切なことは糸にテンションをかけて巻くことです。 リールのスプールに巻きつける時にある程度の力を加えてしっかり巻きつけるという事です。特に最初の巻き始めは重要です。しっかりテンションをかけて巻かないと後々困ることが起きるかも知れません。 下記はその例です。

テンションをかけるにはそれ用の道具があると便利です。DRESSのマキシマムワインダーや、第一精工の高速リサイクラー、ミヤマエのミヤテンションアジャスターなどがあります。

でもリールに糸を巻く機会なんてそうそう無いという方もおられるかも知れません。そのためにこうした道具を買うのも…と思いますよね。 そこで以前私がやった事のある安上がりな方法、それとネットで見つけたシンプルな方法をお教えします。これらの方法はベストとは言えませんが、まあこれでもできますよというものです。

濡らしたタオルを使用する方法

濡らして絞ったタオルを手に持ってそれでギュッと糸を握り、巻取りに抵抗をかける方法です。PEラインは摩擦熱に弱いのでタオルを濡らすことで劣化を防ぎます。 濡れてるとは言えずっとタオルの同じ所で擦ってたら心配なので、時々タオルの擦れる位置を変えるようにした方がいいと思います。 若干色落ちします。私は細いラインはやはり摩擦劣化が心配でやりませんでした。4~6号ではとりたてて問題はありませんでした。

足で挟んでブレーキをかける方法

糸が巻いてある円盤(売り物の糸が巻いてあるプラスチックの円盤。これもスプールと呼びますが紛らわしいのでここでは円盤と言います)は真ん中に穴が空いています。 そこにペンなどを通します。そしてそのペンの左右を足の親指と人差し指の間に引っ掛けて、両足で円盤を挟み込んで抵抗をかけます。 足の摩擦なのでテンションが一定しないのが難点ですが、まあ何とか巻けます。(因みに5本指ソックスを使うとテンションが少し安定します。親指と人差し指が分かれていればいいので足袋でもできるでしょう。)

PEラインのスプールにペンを刺す

円盤の表側はまっ平らなのでいいのですが、裏側はゴツゴツしてて足で挟みながら巻くと足が痛くなったり、テンションがガタガタになります。 そういう時はもう一ついらない円盤を持ってきて裏側同士を重ねてしまいます。これだと足は必ず円盤の表側に接するので比較的スムーズになります。

PEラインのスプールを裏同士合わせて2枚重ねにする

ネットで見つけたテンションをかける方法1:ヘッドレストを使う

車の座席の頭をもたれかける所(ヘッドレスト)の金具に糸を巻いてあるスプールを差し込みます。ヘッドレストの重さでテンションをかけられます。この方法は単純でいいですね。 テンションの微調整がやりにくいところが難点と言えば難点でしょうか。

【便利】ヘッドレストを使って、1人で簡単にラインを巻く方法

ネットで見つけたテンションをかける方法2:水を張ってそこにスプールごと沈める

これは弱いテンションしかかけられないので細いラインでドラグゆるゆるの釣り限定の方法になります。この方法も単純でいいですね。

【ナイスアイデア】超快適にPEラインをスピニングリールに巻く方法をご紹介

巻いた糸がスプールの片側に寄ってしまう場合の対処法

本項はリールに糸を巻く前に竿のガイドに糸を通さずに作業をすると発生する問題について解説しています。 竿のガイドを通して巻く場合はこの問題は起こりませんので読み飛ばしていただいて結構です。

これはベイトリールや電動リール特有の現象です。糸を巻いていると糸の山がスプールの片側(左か右)に若干寄ってしまうことがあります。 例えば左端は糸が少ないのに右端は糸が多くなっている状態。これだとその内右側がもういっぱいで巻けなくなりますから全体として本来巻けるはずの糸の長さが巻けないことになってしまいます。

これの原因は上記の例だと、巻こうとする糸が右斜め方向から終始来ているからです。リールのレベルワインダーの穴は小さいながらも数ミリの径があります。 その右端ばかりを糸が通るのでこうなるのです。

なるべく糸がリールの正面から来るように巻けばこうはなりません。 また、もし上記のような状態になってしまったら、途中から今度は左斜め方向から糸が来るようにして巻けば左が厚く右が薄く巻けるので全体的には平均的に均すことができます。

糸を巻き終えたら

電動リールやベイトリールはレベルワインダーに糸を通したままにした方が便利

電動リールやベイトリールの場合、糸を巻き終える時に巻き過ぎて糸の先端がレベルワインダーを抜けてしまわないように注意しましょう。 釣り場に行ってからいざ釣りをしようという時に糸をレベルワインダーに通すのは結構煩わしいのです。 最初から通したままにしておけば楽です。通した状態を維持しておくために、リールにクリップがついていればそこに糸の先端を留めておきましょう。 クリップがついていないリールなら、糸の先端にラインストッパーというものを取り付けておけばOK。ラインストッパーは「釣り ラインストッパー」とか「リール ラインストッパー」とかで検索するといっぱい出てきますよ。

スピニングリールはスプールバンドが便利

スピニングリールは巻いたそのままで放置すると巻いた糸がほどけてしまう可能性があります。 特にジギングの太いフロロリーダーは手を離した途端パラパラとほどけてしまいます。大抵はスプールにクリップがついているのでそこに糸の先端を留めておきます。でもジギングの太いリーダーを留めておくとそのクリップも段々ヘタってきて留まらなくなるのです。なのでベストなのはスプールバンドとかスプールベルトというものでスプールを巻いてしまうこと。これで糸はほどけなくなります。これも検索すればいっぱい出てきますよ。例えばこんなもの。

なるべく安上がりにしたいなら、100円ショップで髪留め用のゴムバンド(下の写真を参照。但し耐久性はちょっと…)、もしくはベルクロテープを買ってスプールバンドを自作するという手もあります。

スピニングリールにスプールバンドとしてヘアバンドを使ってみた写真画像

ドラグを緩める

そして最後に…ドラグを緩めておいてください。締めたままだとドラグの寿命が縮んでしまいます。

カウンタ付きリールに関する補足

カウンタ付きリールには決められた道糸のデータが予め入れられています。 なので指定の銘柄の道糸を決められた長さ分巻く時は単純な設定作業だけで正確なカウンタ表示がされるようになっています。

ですがこれには前提条件があって、糸を巻く時に決められた目安の負荷(テンション。例えば1kg位とか。)をかけて巻く必要があるのです。そりゃそうです。 例えば200mの糸を巻く場合、緩いテンションで巻いた場合ときついテンションで巻いた場合ではたとえ同じ200mでもスプールの回転数は違うでしょうからね。 でも適切なテンションかどうかを測定し、それを維持して巻くってことは素人にはなかなか簡単にできません。

船長は予め入力されている道糸データは使っていません。道糸の銘柄も指定されたものは使っていません。 どうやってカウンタの設定を行っているかと言いますと、下巻きモード(メーカーによって呼び名は違うかも)の設定方法を使っています。

因みに下巻きモードは実際に下巻きをしなくても全然問題ありません。 下巻きモードはダイワの場合大抵、道糸の最後の100mを巻く時のスプールの回転数を調べる手順になっていて、それによってカウンタの精度を上げるようにしています。 今まで船長がこの方法でやってみて、水深100m以内ならば糸巻き直後の使用ではカウンタの誤差は発生していません。100m以上でもある程度は大丈夫だろうと思いますがそこまでは確認していません。100m程度までの水深ならばこの方法で十分正確なタナ取りができると思います。シマノの場合は最後の10mを巻く時のスプールの回転数を調べるようになっている事が多いようです。ダイワの100mに比べると誤差が出やすい可能性はありますが、私の今までの経験では少なくとも水深60m位までは糸巻き直後の使用ではカウンタの誤差はほとんどありません。それより深い水深は確認した事がありません。

ただし下巻きモードかどうかに関わらず、リールを何度も使用している内にカウンタの数値に誤差が発生することは十分考えられます。 そのあたりの詳細については関連記事をご覧ください。

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