このページの目次
- 電動リールの基本構成
- 電動リールって難しい?
- 最低限すぐに覚えるべき電動の機能は2つだけ
- もう一つ大事なこと。ゼロセットについて
- 新たに出てきた巻き上げ機構について
- 電源について
- 追々覚えればいい機能
- 電動リールの使い方解説動画
電動リールの基本構成
電動リールの基本的な構成をご説明します。
巻き上げレバー
文字通り電動モーターで巻き上げをするためのレバーです。 この写真では手前いっぱいに引いてありますが、前に倒すと巻き始めます。前に倒せば倒すほど巻くスピードが速くなります。
ブレーキ調整つまみ
仕掛けを下ろす時にスプールが回りすぎてバックラッシュをしないように適度にブレーキをかけるよう調整するつまみです。 つまみを右に回せばブレーキが強まり、クラッチを切った状態での仕掛けの落下がゆっくりになります。
ドラグ調整ダイヤル
ハンドルの根元に付いている星のような形をしたダイヤルです。大きい魚がかかった時にハリスが切られないように魚が強く引いた時に糸をズルズルと送り出すのがドラグの機能です。 このダイヤルでドラグの効き具合を調整します。(→ドラグとは)
クラッチレバー
仕掛けを下ろす時にクラッチを切ってスプールをフリーにするためのレバーです。 下に押し下げればクラッチが切れて、上に戻せばクラッチがつながります。
機種によっては点線矢印の位置にクラッチレバーがあるケースもあります。 親指で押し下げるとクラッチが切れます。クラッチを戻すには、機種によって違いますが、 もう一度親指で押し下げたり、別のボタンを押したりします。
スプール
糸が巻いてある場所です。
電源差込口
電源ケーブルを差し込む場所です。ケーブルの反対側はバッテリや船電源に接続します。
ゼロセットボタン
正確に水深を図るため、仕掛けが水面にある状態(すなわち水深ゼロ)でリールのカウンタがゼロ表示になるよう設定するボタンです。
カウンタディスプレイ
今仕掛けが水深何メートルにあるかを表示するディスプレイです。
電動リールって難しい?
電動リールって難しそう、なんて勘違いしていませんか?上記にあげた中で電動リール固有のものは巻き上げレバーと電源差込口だけです。 あとは普通の手巻きリールと同じなんですよ。もちろん色んな機能は他にもあるわけですが、難しいなら使わなきゃいいだけ。 巻き上げレバーさえ難しそうと言うなら、レバーを使わずに手でハンドルを回して巻けばいいというだけのことです。
まあでもせっかく電動リールを購入されたなら、電動巻き上げ位は使いたいわけで、次に最低覚えておきたい機能をご説明します。
この記事は手巻きリールを使ったことはあるけど電動は初めてという方に向けて書いています。 手巻きリールも使ったことがない方は関連記事をご覧ください。 手巻きリールと電動リールに共通する機能に関してはこちらで詳しく説明しています。
最低限すぐに覚えるべき電動の機能は2つだけ
巻き上げレバー
これを奥に倒していくと巻き上げが始まります。奥に倒せば倒すほどスピードが速くなります。 手前いっぱいに引くと巻き上げが止まります。魚がかかった時は適度なスピードで、仕掛けを空で巻き上げる時は速く(活餌でなければ最速でもいい)巻くのが基本です。
奥に倒しても巻き上げが始まらない時は、一旦レバーを手前いっぱいに引いてみて、それから再度レバーを奥に倒してみてください。
魚がかかった時に巻き上げレバーを倒すつもりが間違ってクラッチレバーを押してしまいバレるという失敗を時々見かけます。特にご年配の方はご注意を。『魚がかかったらとにかく(この)巻き上げレバー』という事だけを意識するようにすればよいです。魚がかかっていない時は少々間違えてもいいのですから。あと、巻き上げレバーがダイヤル方式のものであれば形状がまったく違うのでこのような混同は起こりにくいと思います。
実はこの『巻き上げレバー』を搭載したリールは最近ほとんどなくなってきています。 レバーとは別の新しい機構に変わってきているのです。 これについては下の『新たに出てきた巻き上げ機構について』で解説します。
船べり自動停止
仕掛けを巻き上げる時に、水面近くまで来たらちょうどいい位置で自動的に巻き上げが停止する機能です。地味な機能ですがこれは覚えておいた方がいいです。 魚がかかって巻いてくる時にいつレバーを戻して巻き上げを止めるかという事を意識していたら肝心の魚の方への意識がおろそかになってバレる可能性が高くなってしまいます。
機能の設定はメーカーや機種によって違うのでマニュアルをご覧ください。 シマノの電動リールの場合は基本的に前回巻き上げを停止した水深で次回は自動停止するようになっているので、特に設定は必要ありません。 釣行時一番最初の巻き上げの時だけは残り6mで自動停止しますので、あとは手で巻いてください。次回はその手で巻いた後のカウンタ数値で自動停止するようになります。
船べり自動停止の機能を使うには、どうしても事前に正確にゼロセット設定をしておく必要があります。これについては次項をご覧ください。
もう一つ大事なこと。ゼロセットについて
タナを正確にするため(自分が狙いの魚を釣るために、他のお客さんに迷惑をかけないために)、そして船べり自動停止機能を使うために、ゼロセットは絶対にやっておかなければいけません。 因みにゼロセット機能は電動リール固有の機能ではなく手巻きリールにもついている機能です。
ゼロセットをボタンを押す(大抵は数秒間長押し)とカウンタはゼロにリセットされます。なので仕掛けがちょうど水面にある状態でゼロセットすればよいのです。 ですが…実は現時点でこのゼロセットボタンの機能は完全なものではありません。 詳細はこちらを参照ください。ゼロセットボタンはなるべく使わない方がいいです。
ゼロセットボタンを使わない方がいいとなれば、どうやってゼロセットすればいいのか。 答えは仕掛けを水面にちょうど合わせた状態で初めて電源ケーブルを接続するようにします。 電源ケーブルを最初に接続した時は必ずカウンタがゼロになっているからです。
新たに出てきた巻き上げ機構について
上で『巻き上げレバー』についてご説明しましたが、実は近年このタイプのレバーを搭載した製品は少なくなってきました。 レバーとは違う形の機構が新しく出てきています。それについて解説したいと思います。
ジョグダイヤル
まずはジョグダイヤルについて。シマノではスマートダイヤル、ダイワではJOGパワーレバーという名前ですが、 ここではジョグダイヤルと総称することにします。
出典:この写真はシマノのホームページからお借りしました。
出典:この写真はダイワのホームページからお借りしました。
ジョグダイヤルはリールを持った親指で操作します。従来の巻き上げレバーと同じで前に回せば速く巻き、 後に戻せば遅くなったり止まったりします。
これのいいところは片手でリールの操作ができるところです。 従来のレバーだったら、リールを持ってる手とは反対の手でレバーを操作する必要があります。 ジョグダイヤルはリールを持った手の親指で操作するので、すべて片手で完結するのです。 強い魚の引きに対応するためにもう片方の手も使って両手で竿を支える事もあるでしょう。 そこで巻き上げスピードを変えたい時に両手で竿を支えたままでもジョグダイヤルなら操作できるのです。
あと、魚がかかった時に巻き上げようとして、 巻き上げレバーではなく間違えてクラッチレバーを操作してしまうというミスも少なくなるかも知れません。
ただし若干のデメリットもあります。まずレバーに比べると微妙なスピードコントロールが難しいこと。 ダイヤル自体が小さいですからね。慣れが必要でしょう。
あと、ふとした時に気づかぬ内にダイヤルに触ってしまう可能性が少しあること。 これは気をつけるしかありませんね。
タッチドライブ
これはシマノだけの機構です。小さなシーソーのようなものがリールのパネル部分についています。
出典:この写真はシマノのホームページからお借りしました。
シーソーの上の方(奥側)を親指で押すと、押す力の強さに応じた速さで巻き始めます。 チョンチョンとちょっとづつ押すことで、ちょっとづつ速さを増すこともできます。 シーソーの下(手前側)を押せばスピードを弱めたり、止めたりすることができます。
初期のタッチドライブは欠点がありました。 魚がかかった時に慌てて強く押したために最高速の巻き上げになってしまい無理がかかるという事が起こりやすかったんですね。 そこで現在のNewタッチドライブでは『中間速設定』ができるようになりました。 初めにシーソーの上を強く押すと最高速までは上がらずに予め設定された中間速で巻き上げるようになりました。 もし中古で初期のタッチドライブの機種を購入しても、 ソフトウェアのアップデートで中間速設定ができるようになるようです。 (全機種かどうかはわからないので事前にご確認ください。)
タッチドライブもジョグダイヤル同様にリールを持った手で操作ができるので、 片手で操作できるというメリットがあります。 また、やはり同じように魚がかかった時に間違えてクラッチレバーを操作してしまうというミスも起こりにくくなるでしょう。
中間速設定ができるようになったことで、魚が乗ったらすぐに調整不要で最適なスピードの巻きを開始できるというのはメリットでしょう。 タチウオみたいに乗ったらすぐに速めの巻きを開始したい場合は特にタッチドライブが向いているでしょうね。
巻き上げレバーとジョグダイヤルは、 船べり自動停止機能で巻き上げ停止した際にレバーまたはジョグダイヤルを一番手前に戻しておかないと、 次に巻き上げができません。でもこのタッチドライブはそういう戻す操作が必要ないというのもメリットです。
若干のデメリットがあるとしたら、やはり微妙なスピードコントロールがレバーに比べるとやりにくいかも知れません。 ここはもう慣れでしょう。
中間速設定はやり方を覚えさえすればとても簡単にできます。ワンタッチでもできます。 誰でも取扱説明書を見ればすぐにわかると思いますが、 そもそも取扱説明書もしくはボタンによる設定操作に拒否反応がある人もいるかも知れませんね。 そういう方はレバーかジョグダイヤルの機種にした方がいいかも知れません。
電源について
バッテリーは必要か
こうゆう丸には電動リール用の電源がついていますのでバッテリーを購入する必要はありません。しかしほんのまれにですが相性が悪くてリールの動作が不安定になる方がおられます。 そういう方は船長にご相談ください。その上でどうしても改善されないようならお手数ですがバッテリーを持ち込んだ方がいいです。電動リール用のバッテリーは釣具屋さんで購入できます。
電源をつなぐ順番に気をつけて
電源ケーブルの接続は、まず初めに電源側のプラス端子を接続、その後マイナス端子を接続、最後に電動リール側を接続してください。 外す時はまったく逆の順番で外していきます。電動リール内部の電子回路を守るために順番には気をつけましょう。
追々覚えればいい機能
糸巻き学習機能
最初に電動リールを購入された時は道糸も一緒に購入されて釣具屋さんに道糸を巻いてもらって糸巻き学習もやってもらっているでしょうからいいのですが、 いずれは自分で巻く事もあるでしょう。 その時には糸巻き学習機能を知らなければなりません。また電動リールをずっと使い続けていると徐々にカウンタに誤差が現れる事があります。 この場合も自分で糸を巻き直して糸巻き学習機能を使って設定作業をする必要があります。
電動リールは今水深何メートルに仕掛けがあるのかを、スプールの回転数を数えることで把握しています。 でも糸の太さや長さが違えば同じ20mに仕掛けを下ろしたとしてもスプールの回転数は違います。 スプールの回転数による水深の想定値と実際の水深を一致させるための設定が糸巻き学習機能なのです。 この機能はリールに新しい道糸を巻く時点で必ずやらなければいけません。
自動しゃくり機能
イカ釣りをやる時に置き竿でも電動リールが勝手に仕掛けをしゃくってイカを誘ってくれる機能です。これは別に覚えなくてもいいです。 でも疲れた時に知ってると便利ではあります。また上手なしゃくりパターンが記憶されているので、自分でしゃくっても釣れなかったら試してみてもいいかも(笑)