船釣りにおいて船上で突然電動リールが動かなくなるトラブルの対処法や日頃のメンテナンスについて解説します。

電動リールが動かなくなったら

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このページの記事内容は新潟こうゆう丸での釣りを前提にしたものです。 他の釣り船では通用しないかも知れませんし、またその船や他のお客さんの迷惑になることもあるかも知れません。 あくまでも船長さんの指示に従っていただきますようお願いします。

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突然電動リールが使えなくなったらまずどうするか

遊漁船で釣りを楽しんでいる最中に突然電動リールが動かなくなることは、 頻繁にあることではないのですが、さりとてこれは珍しいぞというほどのことでもありません。 しかしご本人にはせっかくの楽しい釣りに水を差すことになり、嫌なものだと思います。

もしそのような事態になってしまったら、まずは電源コードとバッテリー電源端子の接触不良を疑ってみてください。 ワニ口クリップを挟んでいる場所を動かしたり擦ったりしてみてください。

それでも改善しなければ、違う電源端子に接続してみてください。

それでもダメなら船長に相談してください。

考えられる原因

考えられる原因の方向性はいくつかあります。

  1. 電動リール本体の不具合
  2. 電気経路の不具合
  3. 電源電圧の低下
  4. 電源コード(電源ケーブル)の不具合

1番目にあげた『電動リール本体の不具合』に関しては、可能性自体はありますがそれほど多くはありません。 他の原因をあたってみてそれでもわからない場合に疑えばいいと思います。 ただ、電動ジギングとかムギイカの直結仕掛け釣法のように釣行中に電動リールを酷使し続けるような釣りの場合は可能性がありますね。

それでは2番目以降の原因について一つ一つ見ていきましょう。

電気経路の不具合

上記の項でバッテリー電源端子の接触不良を疑っていますが、これは2番目の『電気経路の不具合』ですね。 これがもっとも単純でもっとも多い原因だと思います。

船長は、上記の通りにワニ口クリップの接続部分を動かしてみたりしてもダメな場合、 接続部分に556等の防錆潤滑スプレーを吹きかけてみたりします。これで改善することも多いです。

これでもダメなら他のバッテリー電源端子につないでみて、それで動くようならその状態で使っていただくか、 もし座席からちょっと離れているようなら延長用の電源コードを船に常備しているので、それを間に入れて使っていただくこともあります。

電源電圧の低下

船のバッテリー電源は電圧があまり安定していません。このため電動リールが動作不良を起こすことがまれにあります。

もっとも確実なのが、自前の専用バッテリーを持ち込むことです。ただ、重いものを毎回持ち運びしたり、 事前に充電したりという手間がかかりますけどね。でも電源の安定感は間違いありません。 良好な充電状態であれば電圧がやや高めなので巻き上げパワーも高くなりますよ。

船長の「上げてください」という合図で一斉に皆さんが巻き始めるとそれで電圧降下が起きてしまうこともあります。 少し待ってから再度巻き始めたり、最高速でなくほどほどのスピードならば巻けることもあります。

ハイパーレギュレーターについて

どうしてもうまくいかない場合は、船に常備しているハイパーレギュレーターを使ってもらっています。 これは船の電源を15V程度に安定化するツールです。 船の不安定な電源に相性の悪いリールもこれでばっちり使えるようになります。 元々船の電源がない船では使えませんが、バッテリーのように充電が必要もないというメリットがあります。 バッテリーの代替えとして候補になるかと思います。

以前私はサンヨーテクニカが出していたハイパーレギュレーターを使っていたのですが故障してしまい、 もう生産もしていないため修理も買い直しもできず困っていました。 今はヤフオクで同種の製品を見つけて使っています。手作りですが安価で助かっています。

電動リール用のハイパーレギュレーター写真画像

ワニ口クリップを船の電源につなぎ、ボックスの左右についた電極に電動リールをつなぎます。

電源コード(電源ケーブル)の不具合

これはメーカー純正の新品ではまず起こりません。 ただし最近メーカー純正品ではない格安の電源コードがネット販売されていますが、 配線接続ミスとか信じられないような原因での不良があるようなので、これについては初期不良を疑ってもいいと思います。

電源コードの不良は使っている内に劣化して起こります。丁寧に使っていれば10年以上もちます。 使用上の問題とメンテナンスの問題によって寿命が短くなってしまうのです。

使用上の問題とは以下のような行為です。断線を招くのでやめましょう。

メンテナンスは毎釣行後に以下のようにしてください。

電源コードは、毎回流水で塩分を落としましょう。特に金物部分。

ワニ口クリップの電源に直接接触する部分(カバーから露出している部分)と、 ワニ口クリップの内部(カバーで覆われている部分)のバネの部分は毎回防錆潤滑剤を吹き付けておきます。

ワニ口クリップの内部(カバーで覆われている部分)の電線が露出している部分が盲点です。 これは毎回でなくても構いませんが、時々チェックしてグリス切れを防ぎます。 グリスではなくシリコンシーラントで固める手もあります。 これだとグリスよりも防水効果が長持ちしますし、バネに吹き付ける潤滑剤がそこまで飛んでグリスが流れてしまうこともありません。 電線の被覆の内部にまで水が染み込まないようグリスかシリコンでしっかり覆ってください。

電動リールの電源コードのワニ口クリップメンテナンス写真画像

反対側のリールに接続するコネクタの部分はグリスが切れてたら塗ってあげて下さい。リール側のオスの方もついでに。

電動リールの電源コードのコネクタメンテナンス写真画像

グリスはスプレータイプだとちょっと柔らかすぎるのでチューブタイプのものがいいと思います。 シマノは純正品もあるんですよ。

ワニ口クリップがダメになっただけならワニ口クリップだけ用意して自分で簡単に交換できます。楽天市場とかで『バッテリークリップ』で検索すればいっぱい出てきますよ。

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