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仕掛けの完成イメージと作成手順
自分でマダイの仕掛けを自作してみましょう。 仕掛けを自作できるようになれば、釣れる確率はグッとあがります。 作り方をご説明しますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
まずはごくごくベーシックな「二段テーパー仕掛け」を作ってみましょう!最終的な完成図と作成手順は以下の通り。
今回の仕掛け作りに必要なもの
用意するものは、以下の通り。
まずは道具
- プライヤ:結びを締めこむのに使うので、できればハリを引っ掛けられる位細めがよい。
- ハサミ:ハリスを切断できればどんなものでも可。
- メジャー:ハリスの長さを測るのに使用。金属製はハリスを痛めるのでやめた方が無難。100円ショップで裁縫用の買うといいです。
ちなみに船長は下の写真のような道具を作って使っています。 以前お客さんが使っているのを見て真似しました。1mちょっとの木の棒に50cm間隔で釘を打ってあるだけ。 これで簡単にハリスの長さを測れます。
次は部材
- スナップ付スイベル(サルカン)
- 2B(0.75g位)サイズのスイベル(サルカン)
- 真鯛バリ(10号位)
- 船用フロロカーボンハリスの6号と4号(船用は径が大きくて巻き癖が少ない)
- 仕掛け巻き(大きいほうが巻き癖がつきにくいです。ボール紙などで自作しても可)
ハリスはナイロンではなく、フロロカーボン素材のものをお使いください。吸水による劣化が少なく、 張りがあるので手前マツリのトラブルが少ないのです。
実際に仕掛けを作ってみる
1.一番上のスイベル(サルカン)と上ハリスの結び方
まずスナップ付サルカンに6号のハリスを接続します。クリンチノットという結び方がポピュラーですが、 上手にやらないと大物がかかった時にほどけてしまう事があるので、 ここではカウヒッチとハーフヒッチという結びの組み合わせでやってみます。 このやり方は強度が高く、ほどけにくいです。
まず下の写真のような状態を作って下さい。(ハサミがスイベル、黄色いゴムがハリスだと思って下さい。)
拡大するとこんな感じです。これがカウヒッチです。
締め込みます。あまりぎゅうぎゅうに引っ張らずに形が整う程度にキュッと締めます。
次は編み込みを始めます。 編み込みはハリを結んだ時のチモトの補強などにも使われ、 覚えておいた方がいい結びです。編み込みはハーフヒッチという結ぶ方を交互に向きを変えて何度か繰り返していきます。1回目はこんな感じ。
ハーフヒッチのやり方
締め込みます。やはり形が整う程度の力でキュッと締めます。
2回目は逆向きにハーフヒッチをかけて編み込みます。1回目と向きが違うのがわかりますか?
また締め込みます。
これを6回目位まで交互に向きを変えて編みこんで下さい。 そして最後に糸の端を2~3mm位残してカットして終りです。
動画でも解説していますよ。
2.上ハリスの計測・カット
上ハリスをメジャーで7m+10cm程度測って切ります。 +10cmは結びに使う部分です。
3.上ハリス・下ハリスと中間スイベル(サルカン)の接続・結び方
2Bのスイベルと上ハリスを接続します。やり方は1.と同じです。
続いて2Bのスイベルと下ハリスも接続します。やり方は1.と同じです。
4.下ハリスの計測・カット
下ハリスをメジャーで5m+50cm位測って切ります。 +50cmは、結びに使うための分と、下ハリスは釣行中傷んだらマメに結びなおすのでそのための分を考慮したものです。
5.下ハリスにハリを結ぶ
ハリスと釣り針の結び方をご説明します。ここではシンプルな外掛け結びと内掛け結びをご紹介します。 強度は内掛け結びの方が強いです。やり方は外掛け結びの方が簡単です。 最初は外掛け結びから入門して慣れてきたら内掛け結びを覚えたり、 家で仕掛けを作るときは内掛け結びで船上で作るときは外掛け結びというように使い分けたり、 してもいいと思います。
ご参考までもう一つ外掛け結びのチモト編み込み補強バージョンもご紹介しています。 チモトが切断してバレる可能性を下げるための対策です。
外掛け結び
ハリスとハリをこのように位置します。そしてハリスの先端を最低5回位クルクル巻きつけます。
巻きつけたら、ハリスの先端を輪の中に通します。この場合は奥から手前方向に通します。 通す方向は輪のねじれをなくす方向です。逆に手前から奥に通すと輪のねじれが維持されるのがわかりますか? 方向を間違えると結び終えたときにハリスの先端が変な方を向いてしまいます。
輪の中を通したら、ハリスの本線とハリスの先端を軽く引っ張って結び目の形を整えます。 ここではまだ強く引っ張らないでください。
結び目の形を整えた状態です。この後の手順は「ハリスの締めこみ」をご覧ください。
外掛け結びのやり方を動画でも解説しています。この動画では強度アップと飲み込まれ防止のために枕も付け加えています。
内掛け結び
ハリスとハリをこのように位置します。そしてハリスの先端を最低5回位クルクル巻きつけます。
ハリスの本線とハリスの先端を軽く引っ張って結び目の形を整えます。 ここではまだ強く引っ張らないでください。
結び目の形を整えた状態です。この後の手順は「ハリスの締めこみ」をご覧ください。
外掛け結びのチモト補強バージョン
チモト(ハリを結んだハリスの結び目のすぐ上の部分)を編み込みで補強しておくと、ハリを飲み込まれた時にマダイの歯からチモトを守ったり、 強い引き込みに対しチモトが切断してしまうことを防ぐことがある程度期待できます。以下に補強のやり方をご説明します。
編み込み用の添え糸を用意します。添え糸はハリスより2号位細い号数(ハリス4号なら添え糸2号程度)にします。長さは15cm位です。 ハリスと添え糸を束ねて一緒に外掛け結びをやります。
外掛け結びができました。ここで外掛け結びの締め込みまで終えておいてください。次はハリスに対して添え糸をハーフヒッチで編み込んで補強していきます。
最初のハーフヒッチです。
最初のハーフヒッチを締め込みました。
2回目のハーフヒッチです。今度は1回目と向きが違うことに注意してください。このように1回毎に向きを変えてハーフヒッチを繰り返すのです。
2回目のハーフヒッチを締め込みました。この後もハーフヒッチを繰り返します。大体15回位やってください。
ハーフヒッチをやり終えたところです。ハーフヒッチの部分がハリに対して斜めになっていますね。(ハリ先は上に向いている前提です。)これで問題ありません。 むしろこれによってハリが飲み込まれにくくなります。最後に余った部分をカットして完成です。
ハリスの締め込み
ハリスの位置を修正する
まずハリとハリスの位置関係に注意して下さい。
結び終わって締め込む前に、ハリスの本線がハリの内側にくるようにして下さい。 悪い例だと、ハリスの本線が傷んだり、魚にハリを飲み込まれやすくなってしまいます。
結び目の形を整える
次に締め込む前に結び目の形を整えます。これをやらないで締め込みを始めると、結び目のどこかで摩擦が起きやすくなります。
結び目の形を整えるには、結び目部分を左右から人差し指と親指でやや強めにつまみ、その状態でハリスの本線を引っ張ります。 そんなに強く引っ張らなくてもいいですが、結び目がきれいな形になるまで引っ張ってください。
締め込む
ようやく、締め込み方についてご説明します。
結び終わって締め込む時は、何回かに分けて徐々に力を入れて締め込むようにして下さい。 一度にギュッと締め込むと、結び目がキレイにならなかったり、締め込む時の摩擦熱でハリスが傷んだりしてしまいます。 (傷んだ時は赤い矢印の指す部分(チモト)が白くなるのでわかります。締め終わったら確認してみて下さい。)
まずハリス先端をプライヤで挟み、手でハリス本線を持ち、両側から軽く引っ張って結び目の形を整えます(締め込み①)。
次にハリをプライヤに引っ掛け、手でハリス本線を持ち、両側から軽く引っ張ります(締め込み②)。
これを交互に繰り返して徐々に力を強くして締め込んでいって下さい。渾身の力を込めては結び目の強度が弱ってしまいますが、かと言って締め込みが弱いとファイト中に結び目の位置がずれてバレてしまいます。ある程度しっかり締め込んでください。
この締め込みが弱いと結び目が移動してバレることがあるんです。渾身の力を込める必要はありませんが、結び目がビクともしない程度に強い力で締めてください。
締め込み終わったら、ハリスの先端を2~3mm残してカットします。
ハリの結びは細かい作業なので目が悪いと苦労することも…。 そういう方にはハリ結び器がお勧めです。船長も時々使ってますよ。内掛け結びが簡単にできます。
6.完成した仕掛けをスプールシート(仕掛け巻きシート)に巻く方法
最後にスプールシート(仕掛け巻きシート)に仕掛けを巻き取ります。スプールシートはなるべく大判の方が仕掛けが糸ヨレしにくくていいですよ。私は特大サイズをもっとも使っています。
最初にハリをスプールシートのどこかの穴に引っ掛けてから巻き取り始めます。ハリ(仕掛けの下の方)からスナップ付きサルカン(上の方)へ巻き取っていくのが基本なのです。 そうしておけば、釣り場で仕掛けをクッションゴムにつないだ後にいちいちスプールシートから仕掛けを全部手で引き出さなくても、 スプールシートの中心穴に指を入れておいて、ビシを落としながらシートをクルクル回していくと仕掛けがスルスル出ていきます。 最後にハリが引っかかってシートの回転が止まりますので、手でハリを外してオキアミをつけてポトンでOK、となるのです。
下の写真のようにスプールシートを回転させながら仕掛けを巻き取っていきます。 右手で糸をつまみつつ、両手でスプールシートの方を回転させています。
下の写真のようにスプールシートを片手で固定して、糸を持つ手の方を回転させて巻き取ると巻き取りは速くできますが、 糸がよれてハリスにクセがついてしまうのであまりお勧めしません。スピニングリールに糸ヨレが発生するのと同じ原理です。
スプールシートの収納は、写真の第一精工のスプールシートなら専用ケースが売られていますし、 ジッパーの付いた袋(ジップロック等)や100円ショップにある適当な大きさのケースを使うといいと思います。 むき出しのままだと、ハリがどこかに引っ掛かったりしますので、ご注意ください。
以上で完成です。あとは釣るだけ(笑)
ハリスの長さを測る別の方法
当然船上で仕掛けを作ったり、改造したりすることもよくあるわけで、 そういう時に一番問題になるのがどうやってハリスの長さを測るかです。
上でご紹介したようにメジャーを使ってもいいと思います。
ただ、船上だとなるべくツールを使わずにシンプルに手早くやりたいわけで、こういう方法もありますよ。
自分の体のどこからどこまでが1mかを予め調べておきます。 私の場合は、左手でハリスの端をつまんで左腕をいっぱいに横へ水平に伸ばします。 右手でハリスの反対側を伸ばしていって右肩の端まできたら、そこが1mです。
これだと道具もいらないし、ササッと素早く数メートル測れます。