目次
普段マダイ釣りをやっておられるお客さんにとっては、イカ釣りの仕掛けはだいぶ勝手の違うものになります。 ここでは、特にムギイカ、ヤリイカを釣る際の仕掛けについて、初心者の方向けにご説明します。
イカ釣り仕掛けの構成
一般的なイカ釣り仕掛けの構成です。プラヅノ中心でスッテが一つ混じって、全部で5つの擬餌バリがついています。スッテは他のプラヅノと外見や水中での挙動が違います。目立ってコマセの代わりとなったり、渋い時にはスッテにしか乗らないようなこともあります。中には10数本のハリをつける方もおられますが、オマツリの可能性を低減させるためにせいぜい7本位がいいと思います。初心者の方は取り扱いが大変なので5本程度の少なめがいいでしょう。
プラヅノ
プラスチックでできています。ステンレスのハリ(カンナ)がついています。 これを魚と勘違いしたイカが抱きついてきてハリにかかるわけです。
棒状のものや、魚の形をしたもの、イクラを串刺しにしたような形のものなど色々な形があります。
長さも色々ありますが、こうゆう丸ではとりあえずは11cmのものがあればOKです。
写真はハリが2段になっていますね。これをダブルカンナと言います。 1段の場合はシングルカンナと言います。いずれも一長一短あるのですが、 こうゆう丸では初心者の方にはバレにくさの観点からダブルカンナを推奨しています。
スッテ
プラヅノよりも太いシルエットです。上の写真のように布がまいてあるものもあります。ステンレスのハリ(カンナ)がついています。 プラヅノにスッテが混じっている構成の仕掛けがあれば、プラヅノなしのスッテだけの構成もあります。
シルエット、水中抵抗、浮力など、プラヅノと違いますから、水中でのアピールも変わってきます。
イカ釣り仕掛けの準備
イカ釣り仕掛けを用意するには、3種類の方法があります。1.市販の仕掛けを購入する
こんな風に出来上がった仕掛けが市販されています。上に道糸をつないで、順々に仕掛けをはずしていき、下にオモリを接続すればすぐに使えます。 初心者の方はこれを購入するのが無難でしょう。
2.イカリーダーを購入する
イカリーダーというものも市販されています。要はエダスを簡単に接続できる仕組みが施された幹糸です。 後はプラヅノやスッテに自分でエダスを結んで、好きなようにリーダーに取り付けるだけです。 (エダスまで予めついていて後はエダス先端の小型クリップにプラヅノをつけるだけというタイプもあります。) 付け外しが簡単にできるように工夫されているので、イチから全部作るよりもだいぶ簡単です。
これだと自分の好きな配列にできるし、釣行中も簡単に変えられて便利です。オマツリしてエダスを切断した時も修復しやすいです。
3.イチから全部自作する
仕掛けを作る時間も、釣りの楽しみですからね。費用的にも安く済みます。
ブランコと直結
今までのお話はブランコ式の仕掛けを前提に説明しています。ブランコ式にはエダスがあって、プラヅノがブラブラ動く自由度があります。 イカの仕掛けにはもう一つ、直結式という種類があります。
直結式ではエダスがありません。プラヅノの先端と後端が直接幹糸に接続されていてブラブラしません。
直結式の仕掛けはブランコ式の仕掛けとは釣り方も違います。釣れる時には非常に効率よく数を伸ばす事ができます。 サバ等の外道がかかりにくいので、サバが多い時に重宝します。こうゆう丸ではヤリイカ釣りでは直結式はあまり使用しません。 ムギイカ釣りでは大活躍する事があります。
ハリ(カンナ)が上向きで固定されていますので、イカが乗っている時にちょっとでも仕掛けを下方向に下げると、 イカがハリから外れてしまいます。電動リールを巻き終えて仕掛けをたぐる時など、慣れていない人はバラす可能性があります。 ですから最初の内はブランコ式でやって、慣れてきたら状況に応じて直結式を使う位でいいと思います。
直結仕掛けはブランコの釣り方とは違います。『ムギイカの電動直結釣法』をご覧ください。
イカ釣り特有の道具
投入器
こちらの記事は下のリンク先に移動しました。
マット
黒い部分をロッドキーパーで挟んで船べりに固定します。緑の部分はフェルトになっていて、仕掛けを上げた時にカンナを刺してプラヅノを固定しておけます。
一番上のプラヅノをマットの一番竿に近いところに刺して、そこから順にキレイに並べていきます。 一番竿から遠い位置に一番下のプラヅノとオモリが来るようにしてください。 仕掛けを下ろす時は逆にオモリの方から順にプラヅノを一つ一つ手で外して水中に入れていきます。
仕掛けを上げた時は釣れた時も空で上げた時も、必ず上から順番にマットに刺していってください。 横着をしてマットに刺さずにプラヅノをプラプラさせていると、仕掛けが絡む原因になります。
投入器はなくても大丈夫ですがマットはあった方がいいです。写真は市販のマットですが、これが意外と高価です。 ホームセンターで売ってる絨毯やマット等のフェルト素材で十分代用できます。10×60cmもあればいいでしょう。
マットを使った釣り方を動画でご覧ください。
イカ釣り仕掛けを絡ませないために
イカ釣りの仕掛けは長くてハリも多いので注意していないと絡まってしまいます。 こうしたトラブルを防止する方法、気をつけるポイントをご紹介します。
仕掛けの準備段階での注意
市販の仕掛けをパッケージから引き出す時に注意が必要です。 一般的には仕掛けの一番上(幹糸最上端のサルカン)から順に幹糸を引き出していきます。 そしてその過程で幹糸に引っ張られたプラヅノをその都度外していきます。 最後に一番下のサルカンにオモリを取り付けます。ここで注意すべき点は…
- 最初にプラヅノを全部外してはいけない。仕掛けがメチャメチャになります。
- 外したプラヅノはその都度投入器に入れるかマットに刺して並べる。
仕掛けを巻き上げた時の注意
リールを巻き終えてイカを水揚げする時にプラヅノは必ず上から順に①マットなどに並べて刺すか②投入器に収納するか③手の中に並べて持つかしてください。 まずいのは、つかんだプラヅノをどこにも固定せずに放しさらに下のプラヅノをつかんでいくこと。 こうすると放したプラヅノは水中に落ちてフワフワすることになり高確率で仕掛けが絡みます。面倒くさがってはいけません。
他のお客さんとオマツリした場合の対処
オマツリが発生した時に船長が助けに行ければいいのですが、安易に舵を離れると船が回ってさらに他の人がオマツリになってしまう可能性があります。 なのでオマツリは極力お客さん同士で治すようにお願いします。
オマツリした場合、どちらか一方がオマツリを外し、もう一方は外れてたるんだ分を巻き取るようにします。たるませたままだと他の人に迷惑になります。 但しオマツリを外すのに手が足りないようなら必要に応じて二人がかりで外すようにしてください。
オマツリは仕掛けを水中に入れたまま、順に上から外していきます。そして外れた部分から順に船上に上げていきます。 オマツリが解消しない内に仕掛けを全部船上に上げてしまうとオマツリを外すのが困難になってしまいます。 複雑なオマツリで外すのを断念した時以外は、上から順に外しながら船へ上げるようにしてください。
大抵は上から順に外していけば解消しますが、絡み方が複雑で時間がかかりすぎる場合は了解の上で仕掛けの一部を切ります。 この場合幹糸は切らずにエダスの結び付近を切るようにしてください。
イカ釣りのような胴突き仕掛けでのオマツリの対処方法について、こちらの関連記事でも解説しています。