船釣りで釣った魚を食べる時に注意したいのが寄生虫アニサキス。注意事項をまとめました。

アニサキスに注意

このページの目次

こうゆう丸のいいトコロ
ボタン:こうゆう丸のホームページは役立つ記事がいっぱいへ ボタン:こうゆう丸は座席間隔が広いへ

アニサキスの基礎知識

アニサキスとは

アニサキスとは魚やイカの体内にいる寄生虫です。通常は内臓にいる事が多いですが、筋肉中にもいます。特に宿主が死ぬと内臓から筋肉に移動しやすいそうです。

やや透明感のある白い糸状の虫で長さは2~3cm位。目で見える大きさです。渦巻状に丸まっている事が多いです。

アニサキスの写真画像

出典:この写真は厚生労働省のホームページからお借りしました。

こうゆう丸で釣れる魚で特にアニサキスがいる可能性が比較的高いのが、サバ、スルメイカ、マダラ、スケソウダラ、ホッケなどです。 それよりは可能性が低いもののアジ、メバル、サワラ、メジ、アオリイカ、ヒラメ、ブリ、サクラマス、マグロ、アイナメなども可能性があります。 可能性というだけならば実は全ての魚介類に可能性はあります。海が汚染されているとかそういう事ではありません、昔から普通に自然界に存在しているものなのです。

アニサキスによる食中毒の症状

魚を食べる時に生きた状態のアニサキスを摂取した場合、まれに(絶対にではないそうです)数時間から長い時は数日を経て食中毒症状を起こす可能性があります。 激しい腹痛、嘔吐などです。

参考:厚生労働省のホームページ

参考:東京都福祉保健局のホームページ

生魚を食べてそういう症状が出たらすぐにお医者さんに診てもらうようにしましょう。

アニサキスによるアレルギー症状が出るケースもあります。アレルゲンは熱に強く、またアニサキス本体を除去しても魚に残りますので注意が必要です。 重篤な場合はアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。

参考:大阪府感染症情報センターのホームページ

アニサキス被害の実態

下は厚生労働書が発表しているアニサキスによる食中毒届け出患者数の統計データです。

アニサキス食中毒件数の統計データ画像

出典:この写真は厚生労働省のホームページからお借りしました。

生魚を食べている人の数を想像すれば、それに対して食中毒の件数自体はそれほど多くないという事がわかります。 もちろんアニサキスによる食中毒を防ぐための対策は十分にとる必要はありますが、過剰なまでに恐れる必要はないでしょう。

アニサキス対策の具体的な方法

以下、アニサキス食中毒を防ぐ方法をいくつかご紹介します。ただし、アニサキスアレルギーに関しては以下の方法は効果がない可能性がありますのでご注意ください。

釣ったら

アニサキスは魚が生きている時は内臓にいる事が多く、魚が死ぬと筋肉に移動することがあります。 なので、絶対とまでは言えませんが、釣ったら早めに内臓を取り出すことで筋肉に移動する前に除去できる可能性があります。

参考:農林水産省のホームページ

ただこれをやってるお客さんはあんまり多くはありません。なぜならまず面倒くさいこと。美味しく食べられる内臓を捨ててしまうことになること。 またお腹を開けてしまうと水氷で冷やすのがやりにくくなることなどからだと思います。

また温度が高いと内臓から筋肉への移動が起きやすいようなので、なるべく早く冷やす(4℃以下)ということも重要です。 内部までまんべんなく早く冷やすという観点では水氷は有効だと思います。

参考:大阪府感染症情報センターのホームページ

冷凍と加熱

もっとも確実な予防法は加熱です。70℃で加熱するか、60℃で1分以上加熱することで予防できます。 70℃とか60℃と言っても中心温度ですからね。外側だけ加熱しても意味がありません。特に内臓はなるべく生食を避けて加熱したほうがいいでしょう。

参考:農林水産省のホームページ

参考:厚生労働省のホームページ

-20℃で24時間以上冷凍することでも予防できます。これも中心温度です。 因みにアメリカでは-20℃以下で7日間以上冷凍を勧告しています。でもそもそも-20℃での冷凍は普通の家庭では急速冷凍庫でもなければ難しいでしょう。

参考:東京都福祉保健局のホームページ

参考:東京都福祉保健局のホームページ

ご参考までアニサキス自身が凍結して死ぬのが-8℃前後だという研究報告があります。公的機関の勧告ではもっと低い温度ですがこれは安全マージンをとっているのでしょうか。中心温度が確実に-8℃前後になれば大丈夫なのかも知れません。

参考:凍結および乾燥研究会会誌

料理法、目視

酢やわさび、醤油、塩など、一般的に食中毒を防ぐと言われている調味料ではアニサキスにはまったく効果がありません。

参考:農林水産省のホームページ

アニサキスは体の一部でも傷つくと食中毒になる可能性が著しく減るようです。なので生で食べる時は細く切ったり薄く切ったり細かくたたいたりした方がいいです。 イカソーメンやアジのたたきなどは昔ながらの知恵なんですね。でもこれはたまたま切ったところにアニサキスがいれば有効ということなので、あくまでも確率の問題です。

参考:東京都福祉保健局のホームページ

イカなど身の薄いものは明かりに透かしてみるとアニサキスを視認できることがあります。除去した上で食べれば食中毒にはなりません。

こんなものもあります。これで照らすとアニサキスが光って見えるんです。心配な方はこういうのを持ってるといいかも知れません。

食べる時

生で食べる場合はよく噛んで食べましょう。アニサキスは噛んで傷つけば食中毒の危険性は低減されますが、意外に身が固いので噛み切ろうとしても簡単に噛み切れないそうです。 それでも違和感を感じれば吐き出すことができます。

症状が出たら

基本的には医者に行きましょう。ただ、都合のいい時間帯に医者がやっているとは限りませんよね。すぐに医者に診てもらうことができない時に、正露丸が効くかも知れません。 下の動画は正露丸の大幸薬品がアップしている動画です。正露丸の成分がアニサキスの活動を抑制しているのがわかります。

アニサキス以外の食中毒要因

アニサキス以外にも他の寄生虫や細菌、ウィルスによる食中毒も起こりえます。魚をよく洗うこと、魚を扱った手や調理器具もよく洗って清潔を保つこと等注意が必要です。参考になるサイトをご紹介します。 → 食中毒から身を守るには(農林水産省)