船釣りに使うカッパ(雨合羽)を購入したい方へ、選び方のアドバイスをご説明しています。

船釣り用のカッパの選び方

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カッパとは

知らない人はいないかと思いますが一応初心者の方のためにご説明します。漢字で書くと『合羽』。『雨合羽』とも。全身を雨から守る防水性のあるウエアです。

大抵は、パンツとジャケットの2つに分かれており、ジャケットには頭を覆うためのフードが付いています。

カッパは防水性のある生地でできており、素材としてはゴアテックス等の透湿素材、PVC(塩化ビニール樹脂)、ポリウレタンなどがあります。

船釣りでは雨の時以外に寒い時期に防寒としてもよく着用されます。

船釣りで使うカッパに求められるスペック

防水性

船釣りにおいて最も求められるのは防水性です。船上では雨だけじゃなく波しぶきがかかることもあります。 暖かい時期ならまだ濡れても我慢できるでしょうが、寒い時期に濡れてしまったら釣りどころではありません。防水性は絶対条件です。

似た言葉で『撥水性』というのがありますがこれは雨を弾くように生地表面が加工されているものです。 生地そのものに防水性はないので劣化により撥水性が低下すると水がしみてきます。 撥水性能にもよりますが、土砂降りや雨風となると心配はありますね。あくまでも防水性を重視しましょう。

防水性は生地の素材だけの問題ではありません。物理的な形状も影響します。例えばポンチョのような形のものだと風に煽られればもろに雨があたる可能性があります。 またジャケットのファスナー部分が露出した構造だとそこから雨が侵入する可能性があるので、ファスナー部分にさらにカバーが付いた二重構造になっている方がいいです。 他にも例えば竿を持った時など袖口から水が侵入しにくいように、外側の本来の袖とは別に内側にゴムで締まるようになっている袖が付いた二重構造のものがいいです。

耐久性

ちゃんとしたカッパって結構高いんですよ。そんなに頻繁に買い替えるわけにはいきませんから、なるべく長く持つものがいいです。

ポリウレタン製のものは柔らかくていいんですが他の素材に比べて若干耐久性が落ちるようです。

PVC製のものは生地の厚みを見てください。当たり前ですが薄いものほど耐久性は落ちます。ただ一般的に厚い方が高いですから、予算との相談ですね。樹脂ですから直射日光に当て続けたり、クシャクシャにして保管していたりすると劣化が早まりますのでご注意ください。 あと、縫い目のあるものは最初の内はいいですが段々とそこから水が沁みるようになります。縫い目のないものを選んだ方がいいでしょう。

PVCやポリウレタンは穴が開かない限り水は侵入しません。 穴が開いたらとりあえず粘着テープでも貼っとけば応急処置になります。それでもしばらくは使えますし、家に帰ってから修理用の生地(購入した時に付いているはず)を接着剤で貼り付ければ万全です。

透湿素材のものは繊維でできていますから大事に使っていれば破れたり穴が開いたりすることはそんなにありません。ただ劣化すると穴が開いてるわけでもないのに水がしみてきます。劣化の速度は日頃のメンテナンス次第で変わります。

快適性

快適性に関しては、大きく3つのポイントがあります。蒸れないこと。裏地の肌触り。軽快性です。

蒸れないという事に関してはやはりゴアテックス製ですね。ゴアテックスとは水は通さないけど湿気は通す絶妙な繊維の隙間構造を持つ素材です。 使ったことありますけど確かに快適性は抜群ですよ。軽いですしね。ただし値段が高い。お小遣いに余裕のある人にはオススメです。 ゴアテックス以外の国産の透湿素材を使ったカッパも出ています。ゴアテックス製より安いものが多いです。 性能的にはゴアテックスがダントツですが、国産素材のものも予算との関係で選択肢になろうかと思います。 最近はワークマンなんかで安く買えますよ。使うお客さんは多いです。

PVCやポリウレタンは湿気を全然通さないのでその点はゴアテックスにはかないません。 でも大抵のPVCやポリウレタンのカッパは体に密着するようなものでなく言ってみればガバガバなので通気性はある程度あります。裏地がさらっとしたものならそんなに不快ではないと思います。 (でもさすがに夏は不快かな。)裏地が薄い布を貼り付けたようになってるものや、メッシュが1枚入ってるものは肌触りがいいです。 安いカッパはビニールがそのまま肌に触れるような仕様のがあって、さすがにこれは不快ですね。

背中とかにベンチレーション(通気のための穴)がついてるタイプもあります。 普通の雨なら全然問題ないと思いますが、風がある時や波しぶきなどに対する防水性と寒い時期の防寒性の点で若干心配は感じます。

軽快性は軽さと生地の伸びが影響します。防湿素材が一番軽くて動きやすい。次が伸びがあるポリウレタン。ちょっと重めのPVCと続きます。

その他のポイント

パンツの形状

パンツには、普通のズボンのようなタイプとサロペット(お腹あるいは胸当てまでついていてサスペンダーのようにゴムを両肩にかけて着用する)のタイプがあります。 防水性の観点では特に大差ないと思います。サロペットは雨が降ってない時でも下だけ着用して服が汚れないようにしている方がおられます。 胸当てまでついているので服が汚れたり濡れたりしにくいです。

サロペットは小用を足す時に前開き仕様になっていると便利です。ジャケットを脱がなくてもできます。 その分防水性は若干落ちることにはなるのですが、前開き部分の形状を見ていただいてそれほど浸水の心配がなさそうならいいかと思います。 前開きになっていない場合は、ジャケットを脱いでから肩ゴムを外してサロペットを下げて用をたすことになります。まあ大した手間ではありませんが。

フードについて

フードは防水性においても、風よけの防寒においても役に立つものです。ただ、フードをかぶると船長のマイクアナウンスが少し聞こえにくくなるというのが欠点です。 そんな時はフードの代わりに大きめのツバのついた防水性のあるレインハット(アウトドアブランドにあります)とか、竹笠を使うのも一つの手です。

防寒との兼ね合いについて

寒い時期には防寒性能も兼ね備えたカッパも売りに出されます。これはさすがに暖かい時期、例えば梅雨の時期には使えません。暑くて大変です。 初めてカッパを購入される方は、まず防寒性能のないオールシーズンの普通のカッパを購入した方がいいです。 それでもし寒い時期にも釣りをするような事になったら、カッパの中に着るもので防寒すればだけいいです。

オススメのカッパ

フレッシュレイニー

フレッシュレイニーというブランドのカッパがあります。これは水産関係の仕事に従事されている方に使われています。私も漁師時代に使っていました。 PVC製で防水性能は間違いないです。生地に厚みがあって耐久性もあります。裏地の肌触りも悪くないです。ファスナーが樹脂でできていて腐食がありません。 フードを使わない時は襟の中に収納できます。価格もそう高い方ではありません。 本来が水産用ということで防水性能重視のためか前開きはないと思っていたのですが、どうも前開きタイプもあるようです。 防水性、耐久性を重視すれば、間違いないものだと思います。欠点を上げるとすれば、透湿素材ほどの快適性、軽快製がない(重い)ということですね。

ゴアテックスまたはワークマン

ジギングのように体を動かす釣りだと、汗をかくこともあるでしょうから透湿性があった方がいいでしょうし、なるべく疲れにくいように軽快性の高いものがいいかと思います。 そうなるとやはり透湿素材のものがいいですね。 ただ高いものはかなり高いので(もちろんその分性能もいいわけですが)、お小遣いの許す範囲でなるべくいいものを買っていただいたらいいと思います。 釣具メーカーやアウトドアブランドのゴアテックス製品が最も性能は高いですが、 ワークマンの防水透湿素材のものはハイエンド(イージスとか)でもかなり安いのでコストパフォーマンスは侮れません。 使うお客さんはかなり多いですよ。

防水透湿素材のカッパのメンテナンス

防水透湿素材のカッパは使用の都度洗って汚れを落とすことが長く使用するためには重要です。 そんなに洗ってばかりいたらかえってダメージがあるのではないかと心配にもなりますが、汚れを放置している方がよほどダメージがあるのだそうです。 洗い方は必ず製品についているタグを見て適切な方法で洗ってください。洗ったら洗剤成分が残らないようすすぎを十分にし、陰干しの後、中温で布を当てた上でアイロンがけ(防水性能を戻すために重要)をします。

物理的な破れなどは補修できることがあるので、買ったお店に相談するか、メーカーのホームページを見てみてください。

ゴアテックスのメンテや補修の方法に関しては、下記のゴアテックスのブランドサイトで確認できますよ。

ゴアテックス ブランドサイト

防水性能が落ちてきた場合、市販の防水スプレーなどを使用するとかえって性能が劣化することもあります。できるだけメーカー指定のものを使うようにしましょう。 下記のようなプロに処理をお願いするのも手です。

撥水加工サービス ドロップルーフ

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