このページの目次
- こうゆう丸でのライフジャケットのご利用
- ライフジャケットの種類
- 手動/自動膨張式ライフジャケットの形状について
- ライフジャケットの選び方
- ライフジャケット着用義務化に伴う必要なライフジャケットの仕様(2018年2月以降)
こうゆう丸でのライフジャケットのご利用
船釣りでのライフジャケット着用は2018年より法的に義務化されます。さらに適切なライフジャケットを着用していないといけません。(詳細は後述。)違反すると船長が罰せられてしまうのでどうかご協力をお願いします(笑)
ライフジャケットをお持ちでない方には無料でお貸しすることができますので、無理に購入しなければならないものではありません。 ただし貸し出しのライフジャケットは昔ながらの発泡素材でできたもので着心地はあんまり良くはないです。また暑い時期には鬱陶しいかも知れません。
ライフジャケットの種類
ここでは代表的なライフジャケットの種類とそれぞれの特徴をご説明します。
発泡素材のライフジャケット
出典:この写真は高階救命器具株式会社のブランドサイト「Bluestorm」からお借りしました。
- ベストの形をしていて羽織ってから前でファスナーをしめる形になります。前側・後ろ側ともに浮力素材が入っています。
- メカニカルな構造でないので落水しても100%確実に浮力を得られので最も安全性が高いです。頭が出るような形で浮くので安心感があります。
- 価格は比較的安価です。
- 暑い時期には煩わしく、寒い時期に着膨れすると着づらい面があります。
- 若干の圧迫感があり船酔いした時には煩わしいです。
- 持ち運びに若干かさばります。
手動膨張式ライフジャケット
- 形状は色んなタイプがあります(後述)。ヒモを引っ張ると空気で膨らんで浮力を得られます。
- 膨らんでいない通常状態では非常にコンパクトで圧迫感がなく動きやすいです。
- 価格面では中間的な位置づけです。
- 落水した時に自分でヒモを引っ張らないと浮力が得られません。突然のその時に冷静になれるかどうかちょっと心配な面はあります。
- 空気が漏れるようなキズがないか時々チェックしておく必要があります。
- 数年おき程度でボンベを交換する必要があります。
自動膨張式ライフジャケット
- 形状は色んなタイプがあります(後述)。見た目は手動膨張式と変わりません。
- 膨らんでいない通常状態では非常にコンパクトで圧迫感がなく動きやすいです。
- 落水すると自動的に空気で膨らみますが100%保証されているわけではありません。万一膨らまない場合は自分でヒモを引っ張って膨らませます。
- 空気が漏れるようなキズがないか時々チェックする必要があります。
- 一年おき程度でボンベとスプール(落水したら自動膨張させるスイッチのようなもの)を交換する必要があります。
- 洗浄する時はスプールを一旦外す必要があります。
- 価格面で最も高価です。
- ごくまれにですが、船上で雨に濡れて突然膨張してしまうことがあります。
手動/自動膨張式ライフジャケットの形状について
手動/自動膨張式ライフジャケットはいくつかの代表的な形状があります。それぞれ着心地が違います。また落水して膨張させた時の形状にも色々な種類があります。 船長が知っている範囲で種類と特徴をご説明します。
首掛けタイプ
出典:この写真は高階救命器具株式会社のブランドサイト「Bluestorm」からお借りしました。
タオルを首に掛けて胸に垂らしたような形で着用し、腰回りのベルトをお腹辺りのバックルで固定します。通常時はかさばるようなものではないので着心地は軽快です。 膨張式では比較的使ってる人が多いと思います。
膨張すると後ろ首から胸にかけてが膨らみますので、頭を上にやや後ろに傾いた体勢で浮くことになります。
ベルトタイプ
出典:この写真は高階救命器具株式会社のブランドサイト「Bluestorm」からお借りしました。
ベルトのように腰に巻く形で着用し、お腹辺りのバックルで固定します。腰回りだけの着用なので上半身が動きやすいです。
膨張すると腰回りで浮き輪のような形になります。 物によっては浮き輪のような形状ではなく腰の後ろに横棒のような形で膨らみ、その両端を自分で前へ折り曲げてバックルで固定し浮き輪の形にするというタイプもあります。 使った事がないのであくまで想像ですが、最初に腰回りに浮力がつくので落水した時の体勢によってはすぐに頭を水面上に上げられないのではないかという気がします。
ポーチタイプ
ベルトのように腰に巻く形で着用し、お腹辺りのバックルで固定します。腰回りだけの着用なので上半身が動きやすいです。 ベルトタイプと違うのは、浮力機構がポーチの中に収められているという点で、ベルトタイプよりもより軽快な着心地です。
膨張するとポーチの中から首掛けタイプと同じような形状のものが飛び出してきます。それに首を通して着用するという動作が必要になります。 着用した後は首掛けタイプと同じ姿勢で浮くことになります。
ライフジャケットの選び方
ここまで読んでいただいてわかるように、ライフジャケットはそれぞれの種類で一長一短があり、これがベストと言えるようなものは実はありません。 お客さんの実際に着けているものも見ても特にこれが定番というものもありません。ご自分の考え方で決めるしかないでしょう。
どういう着用の仕方をするのか、どういう条件で膨張するのか、膨張した時の形状はどのようになるのか、メンテナンスがどの程度必要なのか、 最低その辺りは調べてから選ぶようにしましょう。自分の命を守るためのものですからね。
ライフジャケットは子供用、大人用があり、サイズが違います。万一の時に抜けてしまったり浮力が足りなかったりしないために、自分に合ったサイズを購入・着用しましょう。
下は船長が独断と偏見で作ったライフジャケットのタイプ別比較表です。
種類 | 快適性 | 安全性 | 価格 |
発泡素材 | △ わずらわしい 暑い |
◎ 脱げたりしない限り安心 |
◎ |
手動膨張式 首掛け型 |
○ | △ 落水時に冷静に紐を引けるか |
○ |
自動膨張式 首掛け型 |
○ | ○ | △ |
自動膨張式 ベルト型 |
◎ | △ 意識がない時でも自然に頭が水面に出るか |
△ |
手動/自動膨張式 ポーチ型 |
◎ | × 意識がないと着用できない |
△ |
快適性、安全性、価格の3項目で比較していますが、何を重視すべきかと言ったら安全性でしょう。
こうゆう丸のライフジャケットは発泡素材を使ったものですが、万一の時に確実に機能を発揮する事を最重視して選びました。 日頃のメンテナンスなんてやる気がないという方、あと年配の方やお子さんは実際に落水した時の安全性を考えるとやはり発泡素材がいいのではないかという気がします。 その分着心地は我慢しなければならないので、あくまでも個人的意見ですけどね。もしどうしても膨張式がいいのであれば、首掛けタイプの自動膨張式が比較的安全性が高いと思います。
膨張式のライフジャケットは1~2年おき位の定期的なパーツ交換が必要です。 これを怠ると万一のときに命を落とすことになりかねません。 でも、これがどうしても忘れがちです。 それを忘れないようにするための方法をこちらの記事にまとめました。ご参考まで。
ライフジャケット着用義務化に伴う必要なライフジャケットの仕様(2018年2月以降)
2018年の2月よりライフジャケット着用が義務化されます。そして着用するライフジャケットは国の安全基準を満たしたものでなければいけなくなります。
桜マークがプリントされていること
国の安全基準を満たしているかどうかは、そのライフジャケットに国土交通省の型式承認試験及び検定への合格の印(通称桜マーク)がついているかどうかでわかります。 内部のタグなどに印刷されている場合もありますのでよく見てみてください。
タイプAであるむね明示されていること
さらにこうゆう丸でご利用になるライフジャケットはタイプA(TYPE A)という種類でなければいけません。(これは船によって違いますが恐らく多くの海の遊漁船は同様ではないかと思われます。)これも桜マーク周辺にプリントされていると思います。 ちなみにタイプAは次の特徴を持っています。
- 黄色やオレンジ色などの発見されやすい色です。
- サーチライトを反射する反射材がついています。
- 存在をアピールするためのホイッスル(笛)がついています。
- 浮力が7.5kg以上あります。(小児用は体重別に別途基準あり)
『黄色やオレンジ色などの発見されやすい色』というのは膨張式の場合、膨張して浮き輪になった部分の色です。 膨張していない通常の着用で表に出ているカバーの色は関係ありません。発泡素材のものは外見の色が黄色やオレンジでなければタイプAではないと思います。
小児用ライフジャケットの体重別基準とは次の通りです。体重40kg以上→浮力7.5kg以上。体重15kg以上40kg未満→浮力5kg以上。 体重15kg未満→浮力4kg以上。この条件を満たすとともに、サイズ的にガバガバだったりするともしものときに脱げたりする恐れもあるので、なるべく体格にあったものを選んでください。
ライフジャケットを購入される場合は、面倒でも事前に上記仕様の確認をお願いします。
実際の表示例
桜マークやタイプAの表示は特にフォーマットが決まっていなくてライフジャケットそれぞれ記載方法が違うのですが、参考までにあるライフジャケットの表示の写真をお見せします。
上の写真は、ベルトタイプの自動膨張式ライフジャケットのものです。この表示がどこにあったかと言いますと… マジックテープで留まってるフードを開いて、緊急時に膨張するはずの浮き輪の部分を引き出したらそこに印字されてました。
もう一つの写真は、発泡素材タイプの子ども用ライフジャケットのものです。 この表示はライフジャケットの内側、ちょうどお腹に当たる辺りにありました。 子ども用なので、使用できる子どもの体重の範囲が示されています。