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この記事は、こうゆう丸での釣りを前提としています。他の釣り船さんでは状況が違うでしょうから、 そのまま適用できるとは限りません。 必ず各船のルールを守り、船長さんの指示に従っていただくようにお願いします。
2月下旬~4月位はマダイの群れが固まることもあり、プレのっ込みとも言われ、好釣果に恵まれることがあります。 食味の点でも最も美味しい時期です。
この時期のマダイ釣りの特徴は乗っ込みのように広範囲を攻めるのではなく定位しているマダイの群れを直接狙いに行くということ。 それと雪代の流入によりマダイの活性が低くなることがよくあること。 このような背景の中で知っておいていただいた方がいい注意点について以下にご説明します。 ただし攻めるポイントによって若干変わってくることもありますのでご了承ください。
仕掛けについて
基本は4号、15m
ハリスは4号基本でいいと思います。ただし直江津沖は比較的型がよく、 年によっては大型の可能性が非常に高いこともあるので、 そのような場合は5号を推奨します。
基本15mとします。15mが必要な日はそう多くはないのですが、 いざ必要となった時に現場でハリスを伸ばすことができない人も多いので最初から15mとしています。 浮きがいいようなら12mでも問題ありません。
発光アイテム
雪代による濁り潮の事が多いので、グリーンの夜光ビーズや夜光バリを付けるといい事があります。但しエサ取りが多い時は外しましょう。
ハリについて
バレやすいことが多いです。ヒネリの入った軽くて小さいチヌバリがおすすめです。大体4号か大きくても5号位。チヌバリ4号でマダイバリ8号と同じ位の大きさです。閂マダイなどのちょっとネムリの入ったハリはこの時期バレやすいような気がします。魚が突っ込む前提の設計だと思うのですが、この時期のタイは突っ込まない事も多いからかも知れません。
アタリがあってもなかなか乗らないというケースが時々あります。 オキアミの頭だけとられるという事も多いです。特に名立沖のポイントでその傾向があります。 水温が低いせいで餌の吸い込みが弱く、口の開きも小さいからなのだろうと思われます。ハリが十分に口内に入らないためにハリがかりせずに終わったり、皮一枚でかかったり、あるいは中途半端にオキアミの頭だけが口に入ってそこだけとられるということが起こるのではないかと推測しています。そのような時にハリを8号などの小さめにしてみると乗ることがあります。ただ、大型が多い時は注意が必要です。ハリだけじゃなく付けエサのオキアミも、あえて粒の小さいものを選んだり、半分くらいに切ってほとんど頭だけに近いような形にしてハリに刺してみたりするとうまくハリがかりすることがあります。
基本は重めですが
この時期は、重めの仕掛け(例えば3段テーパー仕掛けや4段テーパー、ビシマテーパー仕掛けなど)がいいことが多いです。もちろん例外もあります。浮きがいい時は2段テーパーがいい時もあります。ブログの最新情報も参考にしてください。その日その日の条件もありますが、 とりあえずスタートはあまり軽い仕掛けにしない方がいいと思います。 名立沖は特にその傾向が強く、直江津沖はその日の状況次第という感じです。
その他
どうしても食わない時、水中ウキやそれに類似した磯釣りのアイテムが効果を発揮することがあります。ただし水中ウキはオマツリの心配が若干あります。 こうゆう丸では禁止はしていませんがやってみてオマツリするようなら外してください。他船では禁止されている場合も多いですから必ず船長の指示に従ってください。
この時期は、できるだけ軟調の柔らかい竿をお使いください。その方がバレにくいですし、 食い込みも竿がサポートしてくれます。
釣り方について
ビタ止めが多い
仕掛けの投入時、一般的には指示ダナの5m下までビシを一旦下ろしてコマセを振って指示タナまで巻き上げます。 しかしこの時期こうゆう丸ではビタ止めを多用します。(他の釣り船はまた違うと思いますので船長さんの指示にしたがってください。) 指示ダナまでビシを下ろしてそこでコマセを振ってそのままそこで待ちます。5m下までは一切下ろしません。 場合によってはコマセさえ振らないこともあります。
じっくり攻める
コマセによってマダイが浮いてくるまで、非常に時間がかかることがあります。 基本的にはじっくり攻める心づもりで、あまり短い間隔で仕掛けを上げない方がいいでしょう。 目安としては10分位でしょうか。周りが釣れているのに自分が釣れない時は、魚が浮いた時に仕掛けを上げてしまっている可能性があります。
効果的な誘い方
誘った方がいいことが多いのですが、よくやられる大きい誘い(竿を大きく振り上げて少し待った後10秒位かけて竿先を水面まで下ろしていく)は活性の低い時にはなかなか当りません。 かえってマダイが嫌がることがありますし、水温が冷たい時期はマダイもフラフラしていて付け餌の動きについていけないようなのです。 この時期の誘いは一つ一つの誘い幅を小さく、動きはスローに、待ち時間をしっかりとる、の3点が重要です。誘い方の例としては、 タナの上下1mづつ計2mの幅の中(これはもう少し広い範囲を探っていただいても構いません)を50cm刻みで上げたり下げたりして誘います。50cm動かすごとに10秒程度間を入れてください。間をとった時に当ります。
このような時にマダイが食うタイミングは、付け餌が動いている時ではなく、動いた後に止まる瞬間であることが多いです。 この際、誘いの動作と付け餌の動きはタイミングがずれることに注意してください。 誘いの動作を止めて少ししてから付け餌が止まります。 そのタイミングを意識するようにしてください。
マダイが浮いていて付け餌のそばにいるはずなのに食わないということもありがちです。そんな時は、30cm程度ほんのちょっと付け餌を動かしてやるだけで食ってくれることもあります。 やり方は、置き竿でもいいので少し竿先を持ち上げてやるか、リールで少し巻くか、ほんのそれだけです。 10秒位待ってアタリがなければ、元に戻します。戻してから当たることもあります。
誘いで付け餌が動きすぎて釣れないというケースは結構見受けられます。誘っても釣れないという方は竿を動かして誘うのではなく、リールから糸を引き出したり、リールを巻いたりして誘ってみてください。 これだと誘い過ぎになりにくいです。糸を引き出す時はクラッチを切らずに手で力を入れて引っ張って引き出してください。クラッチを切るとやっぱり動かし過ぎになりますので。
浮きがよすぎて逆に食わない時
この時期はハリス15mを標準としておりますが、浮きがいい時は長ハリスだと当たりにくいこともあります。そういう場合の対処方法がいくつかあります。
- ハリスを短くする。12m程度につめるといい事があります。
- 仕掛けを軽くする。3段テーパーをお使いならば2段テーパーにしてみたり、さらに非常に軽い2段テーパーにしてみるのも手です。
- タナ上も積極的に探ってください。タナの5m位上まで当る可能性があります。 タナ上5mから50cm刻みでゆっくり落としこんでみたり、タナから50cm刻みでゆっくり誘い上げてみたり、やってみてください。 50cm動かす度に数秒の食わせの間を入れます。
- 2本バリにする。上バリをつけてタナを広く探るのも手です。
アタリが非常に小さい事がある
マダイとは思えないようなコツンとかモワッとかもたれとかほんの小さいアタリの事もあります。待ってても竿が絞りこまれない事も多いです。 違和感を感じたらタイミングを図って聞きあわせをするか、すぐに道糸を送り込んで食い込ませるかした方がいいでしょう。 名立沖で多いです。
アタリがあっても乗らないことが多いことからも想像できますが、バレが多発することがあります。名立沖で多いです。
- 食い込みが弱くて、ハリのかかりどころが悪かったり、よく刺さっていなかったりしてハリが外れる。
- やはり食い込みが弱くて、唇の皮1枚にかろうじて刺さっているため、途中で口切れしてしまう。
そういう時の対策としては、
- 合わせはガツンとやらずに、聞き合わせるようにゆっくり大きく竿を立てます。普段からチョコンとしか合わせない人は大体バレが多いです。思い切り合わせてもこれもよくバレます。ゆっくり大きくです。
- 合わせたら電動巻きで通常よりゆっくり上げてやる。テンションを均一に保ってハリ外れを防ぐためです。
- ドラグは緩めにして、やり取りはあまり無理をせずやや時間をかけて丁寧に。口切れを防ぐためです。
- 巻き終えてハリスを持つまでの間やハリスを手繰る時、ハリスが少しでも緩まないように注意してください。具体的なやり方は『あわせた後はハリスを緩めない』をご覧ください。
ポンピングはあまりおすすめできません。バレが多いです。
皮一枚のハリがかりってどんなものなのかイメージできない方もおられるかと思います。下の写真をご覧ください。
そもそも下唇にかかる事自体異常なのですが、この時期こういうケースはままあります。 皮一枚にかかっているのが見えるでしょうか。無理すると巻き上げ途中で皮が切れたり、ハリ穴が拡大してハリが外れやすくなったりするのです。この時期、無理は禁物です。
エサ取りが多いケース
お天気が悪く著しく寒かったり雪代が流入したりしてマダイの活性が下がっていると代わりにエサ取りが元気になりやすいです。 でもそんな時も希望はあります。ホントに難しい時はエサ取りさえも出てこないのです。
エサ取りが多い時にどうやって攻めていくか。よろしければ下記の関連記事もご覧ください。
防寒について
この時期はまだ寒い日が多いです。3月なら雪の可能性もあります。晴れていても風が冷たい事も多いです。 冬と同じレベルの防寒をしていただいた方が無難ですよ。実は数年にお一人位、防寒が十分でないために寒さで釣りにならず、 トイレやブリッジで震えて過ごす方もおられるのです。お気をつけください。
春のヒットシーン動画
次の動画は2月のものですが参考になろうかと思います。
次の動画は魚探画面のみです。
この動画は色んなことを教えてくれます。まず浮き始めのタイミングで食わせることが重要であること。 この日は浮いてから少し経つともうエサ取りだらけで釣りにならない状況でした。
それと、この時期は浮くまでに結構時間がかかる事があるということ。 最初に投入してから早めに再投入しようと仕掛けを上げた人の多くは浮き始めのベストタイミングを逃してしまいました。 流し始めはまだエサ取りがいないので、早めに上げる必要はなかったのです。 エサ取りが多い日でも最初の投入はじっくり攻めた方がいい事もあるのです。
またその逆のことも言えます。すぐに浮かないからと言ってタナを下げ始めたり大きく落とし込んだりする方がたまにおられます。 浮かない内に攻めても意味がないばかりか、この時期のマダイはビシの動きにセンシティブなのでこれによってこれから浮いてくるはずのマダイが浮かなくなることもあります。 また運良く当たったとしても、下で食わせた時点でそれ以上マダイが浮かなくなって周りの人は全然当たらないという事もあります。 マダイが浮くタイミングを図るということが非常に重要です。
この反応ならタイミングよくちょっと上げるかちょっと下げるかすれば食う可能性が高いと思います。 仕掛けは潮にもよるので一概に言えませんが基本重めです。
この動画では魚探画面が左右2つに別れていますね。これは船の左右ではありません。 この魚探の音波は50khzと200khzの2種類があり、左右それぞれがその周波数による画面なのです。 お客さんの探見丸子機には、いずれか一方の周波数の画面が表示されることになります。 魚探の表示に関しては下記の関連記事が詳しいです。
もうひとつ、これは1月下旬ですが春の状況に近いのでご参考まで。前半が魚探画面、後半はファイトシーンです。
お次は船釣り初挑戦の初心者の方です。
この時期の青物について
この時期に釣れるイナダ/ワラサには写真のような黒い斑点がついていることがしばしばあります。
これは水温が低い時に出るもので『越冬斑』と呼ぶ人もいます。病気でもなんでもありません。持ち帰っていただいてもまったく問題ありませんのでご安心ください。